Poo-tee-weet?(プーティーウィッ?)

ビジネス書などに関する紹介・感想をメインに記事を書いています。経営、組織論、テクノロジー、マーケティング。

Random Thoughts 2023 Jun(ネットワークが成功を決める、最近注目している企業など)

近況

今月も6月を過ぎてしまいましたが、6月もドタバタ過ごしていました。5月からずっと子供が風邪を引いており、それをもらって自分が咳が止まらなくなってしまったりして、何度も病院へいきました。ネット情報を見て、咳が続くなら呼吸器系に専門性のある病院へ行くべしとあったので、そうすることにしたら1週間でしっかり治りました。最近は抗生剤を処方するのは控えるように、となっているらしく患者の許可をしっかり取ってから処方するようなことを言っていました。まあ確かに抗生剤をすぐに出されるのはどうかなと思うだろうけど、何度も病院行っているのに〜と伝えても変な処方しかされないようなクリニックもあり信頼できるクリニックを作らないといけないなと思ったりしました(だいぶ年取った感・・)。

 

メルボルンのあるイタリアンレストランにて

 

6月最終週にはオーストラリアに家族で行き、子供の面倒をずっと見ていました。久しぶりの海外は新鮮で良かったです。オーストラリアではマスクしている人は皆無でした(冬なのに)。物価というか、外食が高く1週間滞在は打撃が大きかったです・・。

 

ネットワークが成功を決める

いつからか積読になっていた『ネットワーク科学が解明した成功者の法則』を今月は読みました。成功するとはどういうことか、ネットワーク理論から科学的に追求するのが著者であるバラバシ氏が本書でゴールとすることです。5つの法則について様々な事例を紹介しながら説明されているのですが、「成功本」というと胡散臭さがありますが、すごく良かったです。何が良かったかというとやはり根性論じゃないところでしょうかね。狙ってできるとも思えないのですが、「パフォーマンスが正確に測れないような領域では、ネットワークが成功を決める」「成功とは社会が決めること」などパワーフレーズがたくさんありました。正直、パフォーマンス=個人の能力を高めさえすればいわゆる成功を手にすることができる(お給料が増えたり)と思い込んでいた節がありますが、パフォーマンスの評価は僅差でうまく評価できないので、結局は強いネットワークに属しているか、そこで評価されるか、というのが重要だというのはかなり響きました(イテテテ)。

 

一方でこの本を読みつつ、「自分は成功を求めているのだろうか?」と考えることが多くなりました。これは難しい質問で、成功とは何なのか?仕事で名声を得ることだけが成功じゃないし、などと堂々巡りに入ってしまいます。たまに読んでいるティム・フェリスの『巨神のツール』シリーズの知性編に出てくるシリコンバレーで有名な思想家のナヴァル・ラヴィカントは以下のよう言っていたりして、この一言だけを置いていくなーと思いながらモヤモヤしていたりします。

 

成功したければ、自分よりも成功している人の中に身を置くこと。幸福になりたければ、自分よりも成功していない人の中に身を置くこと

ティム・フェリス. 巨神のツール 俺の生存戦略 知性編 (Japanese Edition) (p.308). Kindle 版. 

 

話を戻して、「成功」=「ネットワーク」だとすると、やはり「ネットワーク効果」を狙うことは非常に重要な要素だと感じる。2023年上半期はこのネットワーク効果周辺の内容について様々な書籍を通して理解を深めていった気がします。かなりバイアスかかっている気がするけれど、戦略としてネットワーク効果を生み出す施策を考えるというのは非常に重要なポイントだと理解しました。

 

悩ましい開発

そう言えば、ソニックガーデンの倉貫さんの新著『人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~』も読みました。これは経営者などの忙しく開発サイドの気持ちを理解する時間がない人向けに簡易的に分かるように書いたと冒頭に書かれている通り、非常にわかりやすく読むことができました。

 

・人を増やしたからといって、速く作れるわけではない

・正確な見積もりを求めたら、見積もりが膨らんでしまう

・一度に大きく作ろうとするほど、結局は損をしてしまう

倉貫 義人. 人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~ (Kindle の位置No.33-35). Kindle 版. 

 

上記はエンジニアの方からしたらあるあるすぎる内容かと思いますが、なぜそのようになってしまうのかがビジネスサイドは理解できなかったりしてビジネスと開発との間にGAPがよく生まれます。そのGAPをまずは認識することからはじめるにはこの本は良いと思いました。もうワードを聞くことも少なくなってきましたがDX推進する際のビジネスサイドの人にさらっと読んでもらうと物事がうまく進むかもしれません。いや、うまく進むきっかけになるというレベルでしょうか。

 

6月に調べた企業

仕事にちょっとだけ絡むこともあり、勢いのあるスタートアップなどを調べたりするのが最近よくやっていることです。特に創業者やCEOのインタビューを聞くことで、その会社の思想や、創業に至った背景などを知ることができ、成功している理由の一つでも掴み取れればいいかなと思いいろんな情報ソースをみています。

 

GitLab

GitHubのオンプレ版/専有環境版くらいにしか認識していなかったGitLabですが、6月上旬の決算発表で31%株価上昇というニュースが舞い込んできました。割りと地味にビジネスを伸ばしているのかなぁくらいにしか思っていなかったのですが、今回の決算発表では流行りのAI機能の実装をする計画を発表したということで投資家からの注目が増えたということのようです。

www.cnbc.com

こんなGitLabですが、元はGitHubのオンプレ版的な位置づけだった認識が強いですが、最近ではDevSecOpsプラットフォームを包括的に提供するソフトウェアベンダーであるポジショニングをしており、いわゆるソースコード管理だけではなく、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリ)基盤や、そのサイクルの中におけるセキュリティ機能など開発者がスピーディに環境に反映させるために必要な機能を諸々提供しているという形です。最近ではGartnerのMagic QuadrantでLeaderとして評価されており、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの企業に感じています。書き始めると結構なボリュームになりそうなので、どこかで整理してみようと考えています。

 

Vercel

CI/CD基盤とホスティング環境を備えたアプリケーション開発プラットフォーム?のVercelもちょこちょこ話題に上がるようになっていると感じています。Vercelの創業者のGuillermo Rauchさんのインタビュー記事が面白く(有償)、業界などを絞りつつも、ネットワーク効果が発揮できる領域をしっかり見つけ、それでいておそらく5年くらいはOSSであるNext.jsを広げる活動にフォーカスしていたりしてうまくやっている雰囲気を感じました。

 

フロントエンド系はあまりキャッチアップしていなかったのですが、Vercelの創業者が言っている、価値提供のスピードをあげる=フロントエンドの改変スピードをあげるという形で、スピードが加速する世の中でのパワーバランスはフロントエンドにシフトしているというような話をしていたのが印象的でした。これまた結構なボリュームになるので整理するか。。

 

投資をしているわけでもないけれど、「成功の法則」を読みながら、成功企業について考える事が多く、少しでもそういう経験をしてみたいと思うところがあり、学べるものを学んどこうと思って色々調べていたりします。どこかでまとめて文章を公開していくことも考えてみようかしら。

 

長くなりそうなので6月はこのへんで。もしも誰かがこれを読んでいて意見交換などしてみてもよいかな〜という方はTwitterでDMくださいませ。