Poo-tee-weet?(プーティーウィッ?)

ビジネス書などに関する紹介・感想をメインに記事を書いています。経営、組織論、テクノロジー、マーケティング。

Random Thoughts 2023 Jul (広告ビジネスの未来、やめること、賭け思考)

近況

7月後半はすごく暑いですね。7月は怒涛の如く過ぎていった感があります。特に後半はコロナを患ってしまい、1週間くらい外に出ない生活したりというのもさるかもしれません。初コロナでした。味覚障害とかなくてただの夏風邪かな、また子供が保育園で入手してきた何かかな、と思ったのですが、自分が東京に行った際にどこかで貰ってきたようでした。自分が最初に軽い咳、熱が出てきて、その1日後くらいに子供も妻も症状が出てきて一家全滅、、。何も蓄えとかしていなかったのでちょっと大変でした。解熱剤などで2、3日くらいで良くなったけど1週間くらいは頭がぼーっとしていたかも。

 

さて、7月。そんなこんなで進捗悪い気もしますが、意外に本は読んでいたみたいです。今月は小説はないです。

 

広告ビジネスとコンサルビジネスの交差点

少なからず、ITシステム開発の領域に携わる身としてもこの状況はなんとなく肌感は感じていましたが、広告代理店がどんどんコンサル業化、SI化しているというお話です。これは、『2030年の広告ビジネス』という書籍で書かれているもので、広告という枠を販売するモデルがどんどんオープンに公開されていったことで、広告販売だけでは成り立たなくなり、コンサル的なビジネスにも拡張させている、という論調です。

 

個人的にびっくりしたのは、広告業のビッグ3と言われる企業は、電通、博報堂、サイバーエージェントと、3番めにサイバーエージェントが食い込んできているということです。サイバーエージェントが食い込んできているというのは初見だったので、新鮮でした。それよりも、おそらくビッグ4と呼ばれるグローバル系コンサル会社はビジネスコンサル領域で言わずもがな幅を利かせており、それとの対抗軸としての広告会社みたいな構図は新しい世界感です。個人的に思うのは、資料デザインのイケてる感は広告会社が得意で、ロジカルにまとまっているのがコンサル会社、みたいな感じではないかなと思いますが、本質はどこか、というのを改めてユーザー企業も考えるときかと感じます。日本国内ではシステム開発をSIerが担うという構造については昔から言われているとおりですが、ビジネスサイドも含めて上流から握られてしまうのはなかなかな状況かなと思います。

 

QUITTING

QUITTING』という本も読んでいました。ようはやめることは何もはずべきことではなく、新しい何かをはじめるという意味もあるので戦略的にやめることを選ぼうね、というお話で、延々と(失礼っ)やめることが悪くない、ということについて様々なデータ、論証から説明するやつです。正直もうちょい期待して読んでいたのですが、あまりでした。

 

「SNSは、自分のイメージを固定してしまう危険がある。SNS上で構築した自分のイメージを崩さないために、『続けるかやめるか』の決断が鈍ることもある」  バリックは、SNSへの頻繁な投稿によって自己イメージをつくり上げていると、そのイメージに反するようなこと──たとえば、好きだと公言していた仕事をやめる、完璧だと自慢していた恋愛や結婚を終わらせる──をするのが難しくなると指摘する。

 

とは言え、ここでもSNS依存してしまうことが身動きを取れなくする一つの要因としてあげられており、自分が本当にやりたいことを見つめ直すにもSNSに引っ張られないようにする必要があるし、本当にやることに切り替える(QUITTING)ためにもSNSで作られた自分のキャラに引っ張られないようにする必要がある、なので過度にSNSはよろしく無いね、と理解しました。

 

賭け思考(Thinking in Bets)

これまた何かの本で参照されていたか何かで積読されていた『確率思考』おちう本も今月読んだ。著者は、るアニー・デュークという認知心理学の修士までとったにもかかわらずポーカーの世界チャンピオン経験者だ。認知心理学の修士をもっているものだから、ポーカーでの自身の経験から、賭け事をするときの思考方法で意思決定を行えばよい、というのを様々な社会学・心理学などの理論もまじえながら紹介していてかなり説得力がある。

 

個人としての意思決定だけではなく、組織としての意思決定にも焦点を当てており、組織がより良い選択を行うために必要な要素として、「正確性」「説明責任」「多様性」をあげている。これらにより意思決定はより確率の高いものになっていくという。

 

また、賭け事は、勝つか負けるかのゼロイチの世界に見られる一方、意思決定は、60対40の可能性で・・などと考える傾向にあり、これは40が全くない選択肢ではないというのもポイントだ。過去の経験などと照らし合わせながら意思決定を行い賭ける、これがポーカーでも人生でも必要な要素という。

 

自己奉仕バイアスという、自分が勝てばスキルのおかげだと思い、他人が勝てば運が良かっただけと考える傾向についても陥りがちな傾向として理解しておくと良いと思った。これにより他社の成功から自分が学ぶ量を増やせるというのだ。競合状況だったりすると確かに、相手は”たまたま”何かを持っていた、とか運のおかげ的な感じで結論づけてしまうことがある気がする。それを一歩引いて、相手がそれを備えていたとしてなぜそれができたのだろう?などと追求することで自分が将来勝てる可能性を高めるというのだ。これは目からウロコだった。

 

競合他社の営業員が大口の販売契約を取り付けたとき、わたしたちに相手のスキルを認めない傾向があることはもうわかっている。そこで、契約を取り付けたのが自分だと想像すれば、相手の能力を認め、その成功から学べる可能性が高まる。同様に、自分が大口の契約を取り付けた場合、自画自賛は少し置いておいて、その大成功が他の誰かのものだと仮定してじっくり考えてみよう。ーp139

 

おわりに

Substackで記事を読むことも増えてきたのでそちらに小ネタ系は載せて行こうかしらと思い登録してみました(これ)。もし読んでいる人がいたらSubscribeしていただけると嬉しいです。まだ何の記事もないですが。