この本、結構前に表紙は見た気がしたのだが、「どうせFacebookがどうのこうのと書いてあるHowto 本じゃねぇの?」と勝手な先入観から読んでいなかった。
それが、コミュニティマーケティングで有名な小島さんのプレゼンテーションでおすすめされていたので、なんともなしにその場でAmazonで検索してポチっていた。
フェイス・トゥ・フェイス・ブック | ||||
|
クチコミの力・・・。いくら、Amazonでおすすめされようと、書店で平積みされていようとも(最近は書店に行っていない気がするし、この本が平積みされていた光景は記憶にないが)、それが購買者の意思決定の決定的な要因にはならない、とはこのことを言うのか、いまさら振り返りながらクチコミのちからを感じている。
タイトルに胡散臭さを依然感じつつも、読み始めた途端、むしろのめり込んで行ってしまった・・。
本書では、クチコミこそが購買意思決定の要であることをさまざまな事例(過去から未来、コンシューマ製品から政治まで)を紹介しながら解説している。いわば、クチコミを生み出すための手引書(The Book)のようなものである。 本書では何度も、「クチコミを作るためにどのように広告を使うべきか」と言ったようなことが語られている。
クチコミやなにかが広まる構造については、以前『急に売れ始めるにはワケがある』を読んで150人の法則やそれを運ぶ人の役割が重要と理解していたが、本書ではどちらかというとクチコミが広まる”そのストーリー“の中身にフォーカスがされていたように思う。
『急に売れ始めるにはワケがある』については、以下の記事の画像が参考になるだろう。ちなみに、『急に売れ始めるにはワケがある』は絶版になってしまっているようで、Amazonで新品はまあまあな金額になっている(文庫本なのに、、)。
以下に、いくつか本書で取り上げられていたポイントをピックアップしておきたい。
クチコミが効果的に広がるストーリーの要素
「スキーマを混乱させる」ことが重要
- 意外性による混乱させ、どうしてもそれについて友人・知人に会話したくなるようなストーリー
共有(シェア)したくなるような内容
- 報道されやすさも含めて考慮にいれる
ストーリー設計の際に考慮にいれること
ステークホルダー
- 最終利用者だけでなく、間接的に意思決定を支援するインフルエンサーなどに響く内容
場をつくる
クラフト社のハウスパーティーの例にある(詳細は本書を読んで欲しい)ような、新しい製品をどのように使うかをハウスパーティーを通して共有させる
場を作るためのツールを提供する
オンラインでのレビュー(Amazonなどの)は一種のクチコミを共有する場
広告の役割
言語化
- 誰かにこの感動を共有したいけれど、どのように表現したらいいかわからないものを、広告コピーなどで表現することで、シェアしやすくする
こんな感じで学びの多い書籍でした。 Amazonのジェフ・ベゾスが提唱するビジネスの立ち上げ方に、Press Releaseから書き始めるという手法があると思うが、それに近いものが本書でも述べられていたし、随所随所で考えさせられた。プレスリリースがどういう内容で、どこに伝播する仕掛けを準備しておくのかを入れ込んでおくかを先に考えておくと自ずと広がるメッセージになっている。単純に発表をするだけでは何の意味もない。マーケターは最高のし掛け人にならないといけないのだ。