Poo-tee-weet?(プーティーウィッ?)

ビジネス書などに関する紹介・感想をメインに記事を書いています。経営、組織論、テクノロジー、マーケティング。

Random Thoughts 2023 Sep(教育・人工知能の父・エブエブ・ヴォネガット)

近況

体調の話からすると、毎月のように風邪を引いたりしています。月1で自分も子供も病院に行くと時間が溶けていく、、。免疫が落ちているのをひしひしと感じていいます。ビタミンD3接種をちゃんとしていないからか、運動をしていないからか、、(両方か)。

 

子供は9月3週目くらいから手放しでも5歩くらい歩くようになってきて、成長が加速しているように感じます。なんとなく言葉もでてきたり、ご飯のときにはちゃんと椅子の方に自分からハイハイ&歩いて来たりと、「意志」や「こだわり」のようなものも見えてきました。

 

今月読んだ本

「敏感期」・「秩序感」

「意志」や「こだわり」といえば、引き続きモンテッソーリ教育について学んでいます。前回はモンテッソーリ自身の講演録的な本から根本思想みたいなところを感じ取りましたが、今回は日本でモンテッソーリ教育を広めたとも言われている相良敦子氏の『お母さんの敏感期ーモンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる』という本を手にしました。自分は紙の本を買いましたが、Kindle Unlimitedで無料で読めるみたいです。

 

そこには、子供には「敏感期」というものがある、というのは先月書いた通りで、子供が感受性を豊かにしたり、何かのスキルを一気に高めていく期間のことです。この本によると、「敏感期」には、「秩序感」「感覚」「運動」の敏感期というものがあるそうです。個人的に「秩序感」の敏感期というのにはハッとさせられました。子供は大人の行動をよーく観察しています。観察した結果、いつもと違うやり方や順番になってしまうと急に泣きわめいてしまったりするのです。この本で具体的な例があがっているので、1歳くらいのお子さんをお持ちの方はそのエピソードの部分だけでも読んでみるといいと思います。ずっと泣いていたりするのは正直メンタルにきますが、少しでもこの子供がもつ「秩序感」というものを知っていると冷静になれるかもしれません。

 

 

じぶん時間を生きる

じぶん時間を生きる』という佐宗邦威氏のエッセイ的な書籍も読んでいました。今年は「時間」「欲望」などをじっくり深ぼっている感じで、たまたま何かのタイミングでAmazonでレコメンされて読みはじめたと思います。

佐宗邦威氏のことも全く知らなかったのですが、コロナ禍で軽井沢に移住し、東京都の二拠点活動をされている方とのこと。移住した理由についても、自分との類似点が多く、共感の嵐でした。「市生活には情報が多すぎる。そのことから生じるストレスがある。一歩街に出れば、プロダクトや広告の情報があふれているし、スマホからは情報が飛び込んでくる。」とか、ちょうど数ヶ月前に東京に出たときに感じたことと同じで、そういった情報に引っ張られすぎない環境にいることで俯瞰して見れる自分がいたりするのはいいなと。

 

また教育の話に戻っていくが(笑)、以下もそこまで徹底的に考えていないとはいえ感覚的には似ているところがあり、自分の話か?と思ったくらいだ。

実は、僕たち家族が東京を離れて軽井沢に移住したのも、子どもの教育にとっていちばん大事だと信じている「余白」を確保するためだった。小学校時代の自我を育む時間における「余白」は何事にも代えがたい。自然という雄大なキャンバスがある環境で、受験勉強に追われない小学校時代を過ごすことが一番の教育ではないか。そんな判断が、僕らの移住を後押ししてくれた

 

 

第3の教育

その流れで、『第3の教育──突き抜けた才能は、ここから生まれる』についても言及されており、ついでに読み始めている(まだ途中)。マッキンゼー時代にデンマークに駐在し、その間デンマークの教育をお子さんが受け、日本に帰ってから日本の学校に通わせたいところがない、というところから自らラーンネット・グローバルスクールを立ち上げた炭谷俊樹氏の創業に至る背景、教育内容が紹介されている。

 

これまた面白い。というか、事業開発などを業界の端くれとしてやっていたりして、ここ最近教育に突っ込んで探求していたため、教育学部とかでもないだろう著者が一念発起で自ら事業を起こしたそのバイタリティなどにも感銘をうける。

 

1990年代に創業していて、本書内でも言及があるが、ウィンドウズ95などのリリースなどによりインターネット化が個人レベルに広がっていった時期なので、ネットワークの力を信じるという意味合いも含めてラーン”ネット”としたらしい。それでいて、モンテッソーリ教育(これはデンマークでお子さんが受けた教育の影響だろう)、MITのシーモア・パパードの『マインドストーム』という書籍に出会ったこともあり、ロゴという子供向けのプログラミングソフトを活用した教育プログラムも組み込んでいる。この組み合わせを90年代にやってるのは今更知った者が言うものあれだが、すごい。下手すると単なるプログラミングスクールや、自然と触れ合える幼児教育、などになってしまうが、90年代後半あるいいは2000年代でこれを進めていったことにすごく感銘をうけた。

 

マーヴィン・ミンスキー

「ロゴ」というプログラミングソフトについては、同じくMITで人工知能の父とも言われる?マーヴィン・ミンスキー氏の本(『創造する心 ―これからの教育に必要なこと』)をそういえば子供が生まれてすぐのときに買って、途中まで読んで積読状態になっていたので、また近くに引っ張りだしてきたところ。

 

この思考の流れ、ループ気味なんですが、先月読んだ言語の本質』もAIについても触れられていて、認知科学、言語心理学、発達心理学、人工知能、教育の繋がりを今深めているなとふと思いました。

 

人間にはアブダクション(逆行推論)というスキルが生まれたときから備えられていて、それをしっかり伸ばしてあげるための教育手法、それがモンテッソーリ教育が強い理由なのだとここ2−3ヶ月の乱読によって理解が深まりました。モンテッソーリ教育は天才を作るとかいうけれど、この仕組みを知ると知らないとで小さな差が複利的に効いてくる、ということでしょうか。

 

ミンスキーについては、まだ学びきれていないので、もう少し乱読してみようと思います。

 

今月観た映画

エブエブ、マルチバース

通称<エブエブ>で知られている、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』がNetflixで見れたので、観ました(実は後半お酒&疲れで眠ったりしてましたがw)。140分と現代にしてはちょい長めの映画ですが、アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演女優賞など7部門を受賞したということで一気にメディアでも取り上げられていましたね。

 

アカデミー賞も結局大衆化の方向な気がしていたので、あまり興味はなかったものの、観て、論評を読んだり聞いたりしていると、深まり、映画単品とうよりは映画を起点とした様々な解釈などが面白かったです。

 

あのときこうだったらのマルチバースの世界観がすごいハチャメチャなストーリー展開と伴に繰り広げられていて、疲れるけど、お腹いっぱいになるフルコース映画です。論評としては、ライムスター宇多丸氏の「アフター6ジャンクション」での話(文字起こし版はこちら)を聞いて、映画のパンフレットをメルカリで購入して色々読むと面白いです。

 

以来、なんやかんやマルチバースと繋げたがる感じで完全にハマってしまいました。久しぶりのヒットです。人は何か一つきっかけが違かっただけで迎える未来が違う、というのを極端なジョークを交えて説明しているかのよう。奇しくも監督であるダニエルズは本ブログのタイトルの由来でもあるカート・ヴォネガット・ジュニアの『猫のゆりかご』のTV版監督だったが、そのプロジェクトは頓挫してしまったということ。『猫のゆりかご』むかーしに読んで以来なので、また読もうかと思っているところです。

 

9月はこれにて!Substackはまだ手が付きません・・。