Poo-tee-weet?(プーティーウィッ?)

ビジネス書などに関する紹介・感想をメインに記事を書いています。経営、組織論、テクノロジー、マーケティング。

Random Thoughts 2023 Apr (欲望=模倣、クラフトとは、読んだ小説)

近況

4月になり仕事サイドではお客様の年度が変わったりしていますが、プライベートでは子供が保育園に入園しました。案外預け際に泣きもしないので、安心して1週間長時間預けてみたら、本人は無理していたみたいで、金曜日夕方近くに熱が高くなって呼び出されて回収。その後、中々治らなく、1週間は自宅療養(妻が日中は面倒みてくれた)となった。1週間でもまだ本調子っぽくなく、2週間経って再度病院にいったら気管支炎になっていたみたい。子供は傷はすぐに治るほど細胞の修復は早いが、免疫系はまだなんだろうか。これからたくさん外界に触れて強くなっていって欲しいと思っています。

 

それにしても保育園は偉大だ。昼間も離乳食作って与えるのがなくなるだけでこれだけ楽になるとは、とひしひし感じている。保育園に夕方までいると遊び疲れたのか、お風呂入って、ご飯食べたらすぐ寝る。仕事の時間が少し多めに確保できるようになった気がする。

 

欲望とは模倣から生まれる

ここ最近、自分の時間をどこにつぎ込むべきか、などについて考えることが多かった。そんな中、Twitterでも何人かの人がこの本冒頭から面白いと言っているのを見た『欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア』という本を読んでいる。まだ途中で咀嚼しきれていない、というか、ここから本題になっていくところだと思うのですが、中々良い。ピーター・ティールの『ゼロ・トゥ・ワン』も、本書で紹介される、ルネ・ジラールの思想 と 氏の「模倣理論」に基づいているというから驚きである(ゼロ・トゥ・ワンでは、そのような背後にある思想を明らかにされていない)。

ジラールは、私たちが欲しがるもののほとんどは、 模倣 によるものであって、内在するものではないとした。人間は──真似ることを通して──ほかの人が欲しがるものと同じものを 欲しがることを学ぶ。同じ言語を話し、同じ文化的規範によって行動することを学ぶのと同じである。真似は、社会において人々が 公 に認める以上に大きな役割を果たしている。
ーp14 『欲望の見つけ方 お金・恋愛・キャリア』

 

人が人である所以でもある「模倣」。ミラーニューロンという言葉を聞いたことがある方は多いと思うが、真似することが得意なのが人間が社会性を持ち、過去の人々の積み上げてきたものに乗っかれるのが人が発展してきた理由でもあり、この「模倣」に自ら縛られるのも人であると。

 

この「模倣」したい欲求をハックするのがTwitter、Facebook、Instagram、TiktokなどのSNSであるというようなことも本書では述べられていて、だからこそFacebookは使われ続けているわけで・・。

 

というように、たしかにこの本を読みながら「模倣」というのは人間に組み込まれた見えないスイッチのようなもので、これをマネージすることがきっとこの先に書いてあると思うので、引き続き読んでいこうと思います。

 

クラフトビールとは

つい先日、缶ビールが成城石井で取り扱っていてよく目にする「京都醸造(Kyoto Brewing)」の記事を見かけた。具体的には書いていないが、大手のビールメーカーがIPAや”クラフトビール”と名のついたビールを展開することに対するモヤモヤ感が記されている。

kyotobrewing.com

確かに、クラフトビールは、僕の理解によると「マイクロブルワリー」などと呼ばれるムーブメントからはじまっているはずだ。だが、大手のメーカーが「味」だけを「クラフトビール」-likeにすることで、市場全体は大きくなるはずだが、「マイクロブルワリー」と呼ばれるような小さな醸造所は、それらに市場を奪われると考えることもできる。生産能力の高い大手の工場が大量にクラフトビール-likeなビールを作れば安く市場に展開できるだろうし、原価は同じでも少し利益率を高くすることもできるだろう。ピュアなクラフトビールは、クラフト、つまりハンドメイドというか職人技で作ったものなので、単価はかなり高く、缶ビール(320ml)でも300円前後は安い方で、500円とかするし、タップでお店で飲むなら700円は普通にするだろう。大手との戦い方、あるいは戦う必要があるのか、みたいなことをこの記事を読みながら考えていました。まだ結論はでていないけど、地消地産的な、あるいはその場でしか出会うことのできない何か、みたいなのがクラフトの意味に含まれているのではないかなと。

 

リチャード・パワーズの『惑う星』

SFチックな本を読むのが好きなので、リチャード・パワーズという名前は知っていたくらいの現代アメリカ文学の大御所の『惑う星』を大手町のオアゾの丸善で見かけたので、ちびちび読んでいた。夜寝る前に1−2章ずつ読んで、3ヶ月くらいで読み終わった。小説に関しては『Your Time』に、「認知耐性」を高めるために重要であると解説されていて、それもあって意識的に読むようになっていて、これが読み終わったので、次の小説も既に読み始めている。

 

シンシナティ大学などのレビューでも、 認知の耐性がない人ほど深い思考ができず、創造的なアイデアを出すのが苦手で、メンタルを病みやすい と報告されています。

ーp198 『ユア・タイム 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術』

 

『惑う星』については、このようなムーブメントをなんと呼ぶのかは知らないけれど、”環境問題は後世に残す立場としての大人が解決すべき問題である”のような主張、この雰囲気の内容がストーリーの後半に入ってくる。アメリカでは特にGenZ以降の世代が投票券の過半数を近々持つようになると言う話も聞いたことがあるが、このストーリーは、親が子供をケアする大変さと、政治的あるいは社会的に大人が子供をケアする大変さを表現しているように感じました。

 

4月は盛りだくさんだったでしょうか。結局公開が5月5日になってしまいましたが、なんとか月1続いている感じなので、引き続き雑多なことを書いていこうと思っています。誰が読んでいるかは知りませんが、自分の思考の移り変わりに気づけるのでそれはそれで良いと感じています。