Poo-tee-weet?(プーティーウィッ?)

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理論だけでなく考え方も教えてくれる『ザ・ゴール』を読んだ

年末年始の長い休暇の間にたくさん本を読もうと思っていましたが、なかなかお酒を飲んだりして進みが悪かったです。そんな中、『ザ・ゴール』は紙の本でみると分厚くてかなり抵抗感がありますが、Kindle版でサクッと読むことが出来ました。


物語調で工場のオペレーションを最適化するというようなこの本。本書の主人公アレックスとともに迷い、悩みながら読み進められるこの本。社会人であれば、今自分が直面している状況と照らし合わせながら、学生ならこういうことが待っているのだろうという感覚を知ることができる本。

企業の目標はお金を稼ぐことであり、それを実現するためには以下の3つの指標が必要になるという点から工場を見ていくことになる。大企業になればなるほど、私の仕事はコレだと決めつけてしまいがちだが、この本で学ぶべきポイントは、社員全員が、ビジネスを継続するためにお金を稼ぐという目標に向かっているという意識を持つべきだという点だと思う。

 「指標は三つあって、それぞれ『スループット』、『在庫』、『業務費用』と呼ぶことにした。在庫とは完成品だけでなく、仕掛品や原材料、作りかけの部品なんかも含まれる。いわゆるインベントリーというやつだ」
ーlocation 1276

スループットとは、販売を通じてお金を作り出す割合のことだ
ーlocation 1280

在庫とは、販売しようとする物を購入するために投資したすべてのお金のことだ
ーlocation 1291

業務費用とは、在庫をスループットに変えるために費やすお金のことだ
ーlocation 1293

特に舞台になっている「工場 」では作るということが仕事になってしまっており、上から降りてきた指標にしたがってー例えば原価費用とか在庫比率とかー仕事をしてしまいがちなところ を、今までの指標が間違っているとまでは言わないものの、より良い指標があるのではないかと試行錯誤し改善しているところは大いに学ぶべきだ工場の人でも、営業でもなんでも個々人がこれを意識できるようになればそれだけで何かが変わると思う。

また、試行錯誤の中では、会社での議論、家族との会話の中からの気付き、というのがあり、一人で悶々としているよりは質問ベースで会社の部下・同僚、家族と会話するほうがいいということも学ばせてもらった。

危機状態にある工場を改善するというストーリーラインだけでなく、家族とのストーリーも盛り込まれており、これがまた面白い。仕事をする誰もが共感を持ち、読み進めることができると思う。この点でもこの本の功績は非常に大きい。


ちなみにこの本を書いた エリヤフ・ゴールドラット氏はイスラエル出身の物理学者で、企業の生産性を上げるソフトウェアを作り販売していたらしい。その販促ツールとして小説を書いた本らしい。ザ・ゴールに続く本も出ているらしいので、それも気になるところです。

エリヤフ・ゴールドラット ダイヤモンド社 2001-05-18
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最近漫画版が出たらしいので、持っとサクッと読みたい人はこっちでもいいかもしれませんね。

エリヤフ・ゴールドラット/ジェフ・コックス ダイヤモンド社 2014-12-05
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