読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Poo-tee-weet?

とあるIT業界の外資系社員の戯言。旅半分仕事半分の人生を目指しています。書いていることはだいたい戯言。プーティーウィッ?

世界で生き残るための入門『世界はすでに破綻しているのか?』を読んだ

高城剛が前から言っていた『世界はすでに破綻しているのか?』がでたので早速読んだ。メルマガを長く読んでいる人にとっては断片的に記されていたことがまとめて読めるし、メルマガを読んだことのない人は新鮮な感覚を得られるだろう。


@ボストン Backbay付近

第三次世界大戦?


金融的な操作により国を支配することが第三次世界対戦であるという説があったりするようだが、まさにこの本では各国がどのように財政的なデフォルトに陥り、どのようにそこから立ち上がったのかについてまとめられている。200ページ弱のボリュームのなかで、ソヴィエト、アジア、アルゼンチン、ヨーロッパ3国、アメリカ(デトロイト)、最後には日本(松方デフレ)に触れられており、その事例を読むことでデフォルトがいつ起こってもいい状況にあるということを思い知らされる。

豪農の高利貸しのみが生き残り、それ以外の者はすべて小作農に転落する。この構造は今の世界の構造と酷似しており、資本家と金融業者のみが生き残り、多くの者は会社の奴隷のように働かされる”社畜”のごとき労働者となる。この層が次第に増えている。インフレとその抑制政策を間違えたとき、それが必ず起こることは歴史の教えだ。アメリカ然り、日本然り、貧富の二極化は決して避けられないことなのである。
ーp178

※ちなみに本書では第三次世界大戦という表現はなかったと思う。

2つのフライト と 地域の孤立・独立


本書の中では「2つのフライト」という形では述べられていなかったが、個人的にはここに何か共通点があるのではないかと思った。地域間の対立構造とフライトである。フライトは退避することや逃れることを意味していると思う。下記で少し詳しく書いておく。

不動産バブルを経験し、サブプライムローンリーマンショックによる景気低迷によりスペインの金融機関の状況はどんどん思わしくなった。その際に起こったのが「キャピタル・フライト」である。国民の国内金融に関する不信から、スペイン国内のカネは海外(ドイツ、スイス)に移ることになる。このカネの流出(=キャピタル・フライト)のみが原因ではないが、カタルーニャの独立にもつながっていった。

一方デトロイトにおいても別のフライトが起こった。デトロイトは元々自動車産業が左官であり、一時は米国内でも随一の生活レベルのあった地域であった。それが人種差別運動などの名残もあり、白人と黒人との間に溝ができた。黒人の暴動をおそれ白人の富裕層は、郊外へ移っていった。これが「ホワイト・フライト」である。これにより特定の業界(建設業・製造業)はさらに潤うことになるが、これが黒人との溝をさらに広げることにつながった。

これほどまでにデトロイト地域格差ができてしまった理由をさぐるべく、ウェイン州立大学で都市計画の研究をするj-じ・C・ガルスター教授を訪ねた。
「一番の問題は都市設計のミスにある」と彼は話す。「デトロイト市政府の管轄はここまで」という歳の成長の境界線(Growth Boundary)を決めていなかった結果、白人たちは街から外へ外への逃げ、新しい街を作ることができた。当然、新しい街を一から開発すれば、建設業界を中心に大きく潤う。だからこの裏には、自動車業界や建設業界と政治との癒着もある。街が拡大すればするほど自動車業界や建設業界は潤い、その上、車で30分の距離があれば、移動手段のない貧困層が暴動や略奪を起こしたくても、たどり着くことはできない。だが、そのツケは必ず回ってくる。
ーp162

雑感


デトロイトの場合、国がデフォルトしたわけではないが、こういう”流れ”によってデフォルトと同じようなことが起こり得るということがよくわかった。地政学的なバランスや金融的な動き、流れについてはちゃんと理解しておかないと自分のみに何が起こるかわからないと感じた。日本にもすぐにデフォルトが起こってもおかしくないなと。

また、たとえデフォルトが起こったにせよ、自分を見失わずに生きることができる力や工夫、というのもまた重要になるんだろうなと思った。今まで以上に、お金との付き合い方、国との付き合い方、あとは自分自身をポータブルにするということを考えたい。そのためにいろいろ勉強せねば。


世界はすでに破綻しているのか?

高城 剛 集英社 2014-09-26
売り上げランキング : 222
by ヨメレバ


文明の衝突

サミュエル・P. ハンチントン 集英社 1998-06
売り上げランキング : 3580
by ヨメレバ

文明の衝突』もまた読んでおきたいが、かなりなボリュームだった気が・・。

2035年の世界

高城 剛 PHP研究所 2014-10-23
売り上げランキング : 861
by ヨメレバ

これも出るらしい。