Poo-tee-weet?

とあるIT業界の外資系社員の戯言。旅半分仕事半分の人生を目指しています。書いていることはだいたい戯言。プーティーウィッ?

スマート・クリエイティブになれるか?その力を極限まで活かせるか?ー『How Google Worksー私たちの働き方とマネジメント』を読んだ

『ゼロ・トゥ・ワン』に続き、良書と言われて話題になっている『How Google Work』を読んだ(最近ビジネス書ばかりなので、軌道修正しなければと思いつつ・・)。内容がかなり濃く、1つの記事にまとめるのはかなり難しいが興味を引いたポイントをまとめておく。ちなみにエリック・シュミットは今年のはじめにも本をだしている(それについてのエントリーはこちら)。


ハーバード大のキャンパス。



「スマート・クリエイティブ」

 

スマート・クリエイティブは、自分の”商売道具”を使いこなすための高度な専門知識を持っており、経験値も高い。私たちの業界ではコンピュータ科学者か、少なくとも日々コンピュータ上で起きている魔法の背後にあるシステムの理論や構造を理解している人材ということになる。だが他の業界では、医師、デザイナー、科学者、映画監督、エンジニア、シェフ、数学者などがスマート・クリエイティブになるかもしれない。実行力に優れ、単にコンセプトを考えるだけでなく、プロトタイプを作る人間だ。
ーp.35



これに追加して分析力・競争心が旺盛であること、顧客視点、自発的で、細かい点まで注意が行き届く人。このすべてを備えていることは難しいが、自分で手を動かして業務を遂行するという姿勢が基本的な要件だという。

現代企業には、スマート・クリエイティブを呼び込み、かつ彼らの能力を存分に発揮させることができる企業文化が必要である。本書ではスマート・クリエイティブを発掘し、育成し、運営することについて、文化・戦略・人材・意思決定・コミュニケーション・イノベーションの観点でGoogleがどのような経営をしているかを体系的にまとめてある。Googleは今となっては世界的なブランドとして名高いが、2012年12月時点で54千人の従業員数とマンモス企業になっている。このGoogleがどのような方針、方法によって経営をしているか、現代の企業に必要不可欠になりそうなことがたくさん散りばめられている。

MBA経営の終焉

 

あなたがどんなベンチャーを始めようとしているのか、私たちにはわからない
どんな業界なのかすら知らない。だから大きな顔をして事業計画のつくり方を指南するつもりはない。ただ、あなたに事業計画があれば、それが間違っているということだけは100%断言できるMBAスタイルの事業計画は、どれほど綿密かつ入念に検討したものであっても、必ずある重大な欠陥をはらんでいる。その欠陥のある事業計画を忠実に実行することは、起業家エリック・リースの言う「失敗の実現」につながる*。ベンチャー・キャピタリストが「事業計画ではなく、人に投資せよ」という原則に忠実なのはこのためだ。事業計画が間違っている以上、人は正しく選ぶ必要がある。優れた人材が集まったチームは、計画の欠陥に気づき、軌道修正することができる。
*リースは「失敗の実現」を、根本的欠陥があり、何の成果ももたらさない計画を成功裏に遂行すること、と定義している。以下を参照。Eric Riese, The Lean Startup (Crown Business/Random House, 2011) pages 22,k38 (邦訳『リーン・スタートアップ』)
     
ーp.99


直前に読んだ『ゼロ・トゥ・ワン』でもどうようなことが書いてあったと思うが、MBAは既に前近代的なものになっている。個人的にも異常に費用がかかり、回収するために奴隷になるための鎖のようなものだと感じていた。思考方法を2年かけて学ぶというのはいいが、それが自分を着飾るためのブランドとして考えているようでは自分に首輪をつないでいるようなものだ。

話がそれたが、おそらくそういう意味で、MBAで学ぶよりも基礎的な考える力(地頭力)を備えている人たちが集まれば、お互いに影響しあって良いものを作ることができるはずだ。先のスマート・クリエイティブの最低条件にある自発的に考え手を動かすことができる人が集まれば、という話だが。


雑感


Googleのすごいところはトップダウンでの指揮系統となっていないところだと思った
スマート・クリエイティブが自分で考え自らプロトタイプを作る。いくつものプロジェクトが立ち上げられ、そのどれかが生き残る。経営者にはそれに対して投資をするか否かの意思決定権あるが、それはすべてボトムアップであげられたアイデアに対して行われる。

ただしあまたあるアイデアを無尽蔵に許可したりはしない。リソース配分について
、すべてのポートフォリオの内、70%は稼ぎ頭に、20%は成功の兆しのみえはじめ成長プロダクトに、10%は失敗のリスクは高いが成功すれば大きなリターンが見込める全く新しいものに投資するという方針がある(本書p305) 。このような大枠のルールを作ることにより(縛り付けすぎないように)、有機的な組織ができ、イノベーションが起こる環境を作っていくことができる。

前近代的なヒエラルキー型組織からの逸脱ということができなければ、世界の競争には勝っていけないと思わされた。


How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) ―私たちの働き方とマネジメント

エリック・シュミット,ジョナサン・ローゼンバーグ,アラン・イーグル 日本経済新聞出版社 2014-10-09
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by ヨメレバ