かなり久しぶりに小説を読んだ。タイミングはふとしたもので、通りかかった地元の本屋さんの前の立て看板で「『サラバ!』、待望の文庫化!」といったようなことを買いてあって、そんなに言うなら買ってみるか。と思って上巻だけ手にとってみたことだった。また、ちょうどJ-Waveで著者の西加奈子さんがインタビューされていてちょっと気になったというのもある。(それまでは、西加奈子を西野カナと同一人物じゃないかと勝手に決めつけていた。スミマセン)
イランで生まれた主人公 歩(あゆむ)の家族・友人・親戚/知り合いとの幼少期から中年までの旅を記した自伝っぽい小説であった。文庫では上中下巻と3冊に分かれている。随所で細部に渡り表現されており、正直上巻では(じれったいな)と内心思い、なかなか読み進めるモチベーションがわかなかった。ただ、成長するに連れて時間を短く感じるかのように、中巻以降ではあらゆるハプニングが起こったりと徐々に飲み込まれていき、中巻から下巻は一気に読み終えた。
たぶんどんな人でもその年代ごとに興奮したり、孤独を感じたりすることが様々なシーンで表現されていて、「あ〜そういう時期あったよな」とかいう風に読み手の過去を思い出させたりもしてくれる。また、テーマとして「自分が信じるもの」みたいなのがあったけれど、じゃあ自分にとってのそれは何なんだろうなと考えるきっかけを与えてくれたかな。
ちなみにイランは昨年いったけど、この小説の舞台のひとつであるエジプトにも行ってみたいなと思いました。ここ最近、改めてカルチャーやアートを感じることに目覚めている感。