Poo-tee-weet?(プーティーウィッ?)

ビジネス書などに関する紹介・感想をメインに記事を書いています。経営、組織論、テクノロジー、マーケティング。

コンテナなんてただの箱でしょ?は大間違い 『コンテナ物語』を読んだ

去年の年末ごろにビルゲイツが紹介していたおすすめ本の中の一つに『コンテナ物語』という本があったので、読んでみた。ちと昔の本なので読みにくいところもあるが、コンテナがどのように世界中に広まっていったかを事細かに知ることができる。

 



シーランド社、マルコム・マクリーンの活躍の話


物語の主人公は、マルコム・マクリーンというシーランド社の社長だと思うが、この人がいろんな場面で出てくる。全く知られていない人だが、元々は 陸運の流通会社を経営していた彼は、海運業にも手をだし、一気に成長する。海運業に手を出すのにも社会が決めた規則や法律を破るのに奔走。

ベトナム戦争を契機にコンテナの効率性は軍にも認められるほどとなる。ここでもマルコム・マクリーンが出てくるが、アメリカから往復の代金をもらいつつ、 帰りはコンテナは空っぽのまま。そのコンテナ船を日本に寄って輸送をするというダブルに儲けるというズル賢さも発揮し、シーランド社はグイグイ成長。


コンテナリゼーションの重要性とは


そんなこんなで日本にもコンテナを使う輸送方式が主要な港で導入された。この時期(60年代)のアジアでは香港やシンガポールにも同様にコンテナ輸送に対 応した港が流行り出す。この時期アジア最大の港はシンガポールだったらしい。取引のハブになることを目指すのは、今も昔もシンガポールの戦略なのかもしれ ない。

”コンテナの基本的なコンセプトは、「輸送単位を共通化し鉄道、トラック、船によるシームレスな貨物輸送を実現する」ことにある”。このことについては、 シンガポールに限らずその他の国でも、立地ではなく以下にコンテナを使う輸送方式を利用し、輸送の力を貿易の力にうまく活用している。1900年初頭まで 旧来の輸送方式を活用していた港は続々とコンテナリゼーションの波に押される。

雑感


グローバルなサプライ・チェーン・マネジメントもコンテナ輸送による効率化による賜物である。これが当たり前にできていると思っていたところもあるが、実際にコンテナを活用した輸送方式が徐々に広まりブレークスルーをみていくとこんなにも苦労があったか、と感じる。

改めて、兵站 あるいは ロジスティクスというものを見直してみたいと思った。兵站に関わるムダを排除し、物事がスムーズに進むようにする、これはモノの流れだけではなくビジネスの流れにも何らか関係しているのではないか、と思う。


ちなみに、少し関係するこれらのブログ記事も面白い
http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20120416/1334543387
http://takoratta.hatenablog.com/entry/20090213/1234490675

読んだあとにウィキペディアでコンテナと調べてみたら、事細かに記載があってびっくりした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A


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