Poo-tee-weet?(プーティーウィーッ?)

とあるIT業界の外資系社員の戯言。旅半分仕事半分の人生を目指しています。書いていることはだいたい戯言。プーティーウィッ?


『行動分析学入門』を読んだ

組織について日頃から興味があり、探索する日々であるが、経営的視線からだけではなく、一個人としてさまざまな人とどのように接するべきかということを最近考えることが多い(※なお、僕は部下を持つような立場にはいない)。そんなことからふと本屋で手に取った 『行動分析学入門』。カバーがカジュアル化されたことに引っかかったのかもしれないが、中身はまあ良かった。新書で軽量(重さではない)かつ、入門書としてはこれくらいのボリューム感で良かったと思う。ざっと気づきなどを書いておきたい。

イランにて。ピクニックをするイラン人。

ざっくり概要

組織内で問題にあがりがちなのは、「あの人がXXXだから、うまくいかない」や、「あの人はYYYだから、いいよね」とかの”人“である[1]。だが、『学習する組織』などでも語られる通り、フォーカスされるべきはプロセスや仕組み(アーキテクチャ)であり、人ではない。人は与えられた場や、プロセスに反応して行動しているからである。

さて、「行動分析学」というのは本書でも語られる通り、1930年代に米国の心理学者B・F・スキナーが創始した心理学のカテゴリだ。「行動分析学」では、〈行動〉の前後にある〈入力〉、〈出力〉を観察し[2]、何がその行動をさせたのかというところに注目する。また、その〈出力〉が将来繰り返されたり、二度と行われなかったりというところに着目する。

〈行動〉は何もきっかけなく行われるのではなく、何かきっかけがあって、そうさせているのである。という考え方が「行動分析学」の基本にあると理解した。また、朝だから「おはよう」というように、その文脈や状況(Situation)に応じても〈行動〉は変化する。

そんなことが本書では入門的に紹介されている。部下を持っていたり、チームでリーダー的な存在な人は、一歩引いた目線(客観的)でメンバーの行動に注目する観点を本書は与えてくれるだろう。

[1]僕も時々やってしまうけれど… [2]本書では〈入力〉〈出力〉という表現ではなく、基本随伴性という専門的な言葉が使われている

ーーー

さて、最近はスクラム的組織にすごく興味があり、実際にスクラムマスター認定研修などを受講したり、スクラム関連の書籍や海外の事例を読み聞きしているのだが、上記で書いたSituationalizingはスクラムマスターの1つのスキルセットである。Situationalizingと言っても、全体(森)を認識するだけではなく、個々の行動を認識・分析するのもスクラムマスターのスキルであろう。行動分析学はその点で学ぶポイントが多い気がする。

良いリーダーはフィードバックを明確かつ頻繁に行う

また、本書で面白い研究が取り上げられていたので紹介しておきたい。ジュディス・コマキ という方の研究で、有能なリーダーとそうでないリーダーとの違いを指示の出し方に注目して観察した論文である。

ヨットレース(おそらく4ー5人で漕ぐレガッタだと思う)のリーダーのメンバーに対する指示の出し方を観察し、どのような違いがあるかを分析したもので、以下の図がその論文で紹介されている観察結果を図に表したものである。

有能なリーダーは、有能でないリーダー2名に比べて、指示・確認・フィードバックが明確かつ頻繁に行われている。有能でないリーダーCなんかは最初に指示を出しただけで確認やフィードバックは一切行われていない。

このように、リーダーは指示を出すだけでなく、状況を認識し、それに対して確認やフィードバックを行えば結果を出せるということの1つの証明になっている。

これが何が面白いかというと、実際の業務においても日頃から上司は現場の状況を見ながら、チームメンバーへフィードバックをすることがチームのパフォーマンスをあげるのに重要だという示唆になっているからだ。例えば1on1や上司との面談は形式的に3ヶ月に1回行うなどのケースが多いと思うのだが、形式的であってあまり意味を感じない人も多いだろう。それよりも、Daily Standup Meetingで頻繁に状況を確認したり、分報と呼ばれるような取り組み(times_XXXのようなチャットチャンネルを作り今やっていることを実況レポートする)で個人が取り組んでいることを可視化し、それに対してフィードバックをするという手法が良い。そんなことを示唆させる論文が紹介されていたのが非常に面白かった。

さいごに

組織課題は延々と続く旅路な気がしてならない。一人からはじめて、チームに広がり、また別の場所へ行ってあらたに組織の課題に直面する。その過程の中でたくさんの学びがあり、自分自身もレベルアップしていく、そんなことにやりがいを感じている昨今です。