Poo-tee-weet?(プーティーウィッ?)

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ドローンはただの箱?『空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?』を読んだ

メルマガの方ではかなり前からドローンについて語っていた高城剛が集英社からドローンについての本を出した。しかも、DJI、3D Robotics、Parrotの飛行型ドローンを主力にしている3社のトップへのインタビューを含めてという豪華さ。本自体はボリューム感はないが、いろいろと気付きもあるので是非読んでおきたい1冊である。いくつか気になったポイントと雑感を書いておきたいと思う。

 

高城 剛 集英社 2016-03-25
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ドローンは「ただの箱」?

ードローンが「ただの箱」というのはどういう意味?
A「iPhoneを見てくれ。iPhoneは魅力的なデバイスだし、機能的にも優れている。でも、大事なのはそこじゃない。iPhone、そしてスマートフォンの普及によって、僕らの生活は大きく変わった。世界中がネットワークを通してつながるようになり、僕らは当たり前のようにクラウドやアプリを使うようになった。それこそが、iPhoneのもたらした本当の価値なんだ。ドローンも、それが世の中をどう変えるのかという点に価値があるんだ」
(―p84)

 

そのiPhoneでさえ、すでにある技術をうまく組み合わせて作ったものであり、まさに箱の中に何をいれこむかがiPhoneが広まるきっかけになった点だ。ドローンというとやはり空撮などのことが取り上げられることが多いが、それがアプリケーションによって自動制御されたり、あらゆるサービスが可能になったりするとドローン普及が一気に進む可能性はある。

 

なんとなく思うのは、車とドローンはコンペの関係にありそうなことだったり、すべてのモノが箱として、クラウドに接続して制御・監視などがされるようになるような方向性は確実だろう(まだまだ法律の整備などが必要ではあるが)ということ。

 

また、今クラウドの利用が進んでいること(すでに自然のことになりつつあるが)は、ドローンの可能性を高める一つの要素であり、このプラットフォームを利用してサービスを作っていることが重要なことだと考える。IoTやAIについては昨年Harvard Business Reviewにて特集されており、このプラットフォームはクラウドであることは事実である、コンシューマ向け技術がエンタープライズへ還元されることは必至だろう。

 

 

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物理的インターネット

四半世紀前に誰も思い描くことができず、今日インターネットがそれまでと大きく異なっているのは「アップロード」ということだ。だから、ドローン流通によって起きる個人の「アップロード」、すなわち、個人が家庭で作ったり仕入れたりしている非デジタルなモノを、誰もが素早く安価に配達できることが、ドローンの未来を切り開くことになるのである。そのうち、「サンタクロースの正体はドローン!?」などという記事も出てくるだろう。キャラ・ドローンは、間違いなく登場する。


「アップロード」ということは考えもしなかった。流通革命がいつの時代にも大きな変化を起こすということを考えると、ドローンが支配する地上61〜122メートルという新たなフロンティアは注視しておいたほうが良さそうだ。また、本書でも指摘のあるとり、街自体を開発するデベロッパー、流通業などのあらゆる業界が業際なく協業し合いドローンが利用されるエコシステムを創っていくことで、あらたな流通の形態を生み出す可能性がある。

 

 

 

中国の脅威

 僕が中国に脅威を感じるのは、この「スピード」と「博才感」だ。人口や国力、資金ではない。一か八かに賭ける気概を世界で最も持っており、また強力な博才を持つ人物も多い、と、たくさんの人たちと会ってみて感じる。
 例えば、日本の高名な大学教授たちは、いくら面白いからといっても、初めて会う人物にいきなり数億円の出資の話を持ちかけたりしないだろう。何度も何度も会って「持ち帰って検討」するだろうし、何か問題があっても自分の責任が回避できるようになるまでは、決定することはない。
(ーp118)


この脅威は日本人が日本企業や、日本人ばかりの環境で働くことでは感じられないことである。この閉鎖感と内輪におさまって仕事を進めようとすることの狭い思考方式は

 

 

法整備について

ちょうど本書を読み終わったころに、下記のニュースが報じられていた。これに習って日本もどうようの法整備をしていくことは間違いないだろう。

 

jp.techcrunch.com