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Poo-tee-weet?

とあるIT業界の外資系社員の戯言。本を読んだまとめや旅のまとめなど。書いていることはだいたい戯言。プーティーウィッ?

ロジカルと自然の狭間の経営論 ー 『スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営』

読書 働き方

「好きなことだけ!」あたりがキャッチーで、好きなことだけする仕事術的にも聞こえるが、本書はこだわりにこだわり抜いたモノやコトを販売するための経営論という感じの本である。社長は父親の代からあとを継いで社長をすることになった方である。

 

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(ブ~。このブログ記事とは全く関係ありません。)

 

 とことん品質やその利便性などを突き詰めた製品開発に注力し、製造は地場(新潟)の工場に任せるという手法をとる一方、品質基準についてロジカルに検査し市場に出していくということを実践している。品質面でのこだわりをブランディングをすると、製品が市場ですぐに受け入れられないこともあるようだ。たとえそのような製品が市場ですぐに受け入れられなかったとしても、値引きによる在庫処分などをせず販売を継続するという。これは強固なファイナンス基盤がなすべくものと本書で簡単に説明されているが、それを実現するためには数多くの苦難を乗り越えたうえでの工夫なのではないかと推察する。

 

ビジネス書なのでかなりライトウェイトで読みやすいものの、所々にしっかりとした軸、というのを感じさせる本であった。今回Kindleで読んだが、たくさんのところにハイライトをしてしまった(”しまった”、というのも語弊があるが、元々軽い気持ちで読みはじめたのでこういう表現になる)。備忘録までにいくつか引用を残しておこうと思う。

 

ロジカルに管理することを重要視する

経営をしているのだから何事もロジカルでないといけないというのは一般的な話であるが、それであってもやはり”どんぶり勘定”や”感覚”で営業をしていることが多いと思う。どれがなにと相関関係があって云々の話はしっかりと考えて各自の仕事を分析するのは非常に重要だ。

 

そんな中でも、私が課題を抱えている店舗に対して対策を練る上で意識しているのが、店舗ごとに発行するポイントカードの状況だ。  カードの発行などはデータを常時、システムで数値管理している。特に重視しているのが「新規の顧客をどれだけ獲得できているか」と「既存の顧客に対して、ステップアップをしてもらうようなセールス活動ができているか」についてのデータだ。  つまり、「新しい顧客をどれだけ開拓したか」「ファンをどれだけつくったか」から課題を探っていく
(ーKindle location 869)

 

ロジックをフィードバックする場としての日報

そんなロジックはこれだけではないと思うが、日報へのコメントによって正しくフィードバックされる。大抵、日報などはなんとなく業務をトラックするものでしかなく、そこでチャレンジしたことやできたこと/できなかったことを書くものになっていなく、送っているのになんのコメントもない、という状況が多いのではないかと思う。それを然るべく人がしっかりと読み、コメントをするというルールを作っている、という。また、そのように自主的に課題意識を持ち、働く社員を年を関係なくしっかりと評価していく仕組みになっている。このようなルールによって実力主義の”文化”を形成しているのもすごい(普通のことが普通にできないことが多い)

先進的な取り組みを業務の円滑化に生かしてもらえるように、社員は他の人の日報を読むことができるようにしている。また私にとっては1人の社員へのコメントを通して、他の社員にも気づきを共有してもらう。例えば、ある社員に厳しいコメントを1回すると「主体性のない仕事はスノーピークの企業文化に反する」といったことが社内に正しく伝わる
(ーKindle location 1236)

 

”自然”と”経営”のバランス

経営についてかなり深く、こだわりをもって(=軸をもって)実践しているものの、やはりそこにはある”不自然さ”がともなっていると筆者自身感じたそうだ。それは、経営者のみならず、仕事に没頭しているのはいいものの、なにかセンスというものを見失って判断していることも少なくないだろう。このような過ちを減らすためにも、自然の時間を感じることが、経営者のみならずすべてのビジネスパーソンに必要な価値観(筆者は本書でその価値観を共有、広めようとしているのかもしれない)になっていくのかと考えさせられた。僕のような甘えて仕事をしているものからすれば、これを理由に休んだりするのではなく、業務時間中の濃度をあげることに注力すべきだとも思う。少なくともこの著者は逃げていないのだから。

 

自然の時間を感じることは、経営者としてもプラスになっている。  数年に1回レベルの重要な決断をするとしたら、私ならばキャンプで2、3日アウトドアに身を置いてから、自分の心が赴くほうを選択する。五感を磨いてから決めることこそが正しい選択ではないかと思っている。残念ながら、経営者でキャンプに日常的に出かけている人はあまりいないようだが、私からしたらとてももったいない話だ。自然の中でビジネスの時間の流れとは違うリズムですごすと気持ちをリフレッシュできるし、人間が本来持つ感覚を取り戻すことができる
(ーKindle location 1349)

 

是非騙されたとおもって気楽に読んで見て欲しい1冊。

 

山井 太 日経BP社 2014-06-04
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