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Poo-tee-weet?

とあるIT業界の外資系社員の戯言。本を読んだまとめや旅のまとめなど。書いていることはだいたい戯言。プーティーウィッ?

今イケてる国はどこ?ー『ブレイクアウト・ネーションズ』を読んだ

世界

最近はあまり聞かなくなった気がするが、新興国への期待値は上がっては下がって、の繰り返しのようである。BRICSなどという略語ももはや今では聞かない。たまたま書店で見かけた本書『ブレイクアウト・ネーションズ』では各国の状況(2011年時点)を知ると共に、どのような点がブレイクアウト・ネーションとして有望であるかということを具体的な例を伴いながら説明されている。久しぶりの本を読んでのエントリーです。

 

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ブレイクアウト・ネーションとは?

 

それが、「ブレイクアウト・ネーション」、つまり現状を突破できる国であり、同じ所得階層にあるライバル国を出し抜いてゲームを勝ち抜ける国なのだ。つまり一人当たり国民所得が五〇〇〇ドル未満の国はその層で競争するのである。成長ゲームの勝敗は、事前の予測、そして競争相手に勝てるかどうかで決まる。
ーp15 プロローグ

 

この引用でなんとなくお気づきかもしれませんが、”キテる国”=ブレイクアウト・ネーションというのはその時代によって変わるものであるということが、この本全体を読んでいてもわかります。タイは一時期経済成長が著しかったが、課題として第二の都市が必要であるとか、インドはポテンシャルはあるが政治的な腐敗が多いとか・・。その国によって経済政策がことなるために懸念点があったりする。

 

 

第二の都市の必要性

 

第二の都市があることが重要であるというのはあまり意識したことがなかった。だが、これは赤信号になりえる兆候であることだそうだ。

 

どのような大国でも、国で二番目に大きい都市は、たいていは最大都市の少なくとも三分の一から半分くらいの人口を擁している。経済地域バランスもほぼこの割合だ。

<中略>

ここ数十年にブレイクアウト・ネーションとなった国々の多くにも、この法則が当てはまる。もし、ある国でこのルールに違反した状態が続くと、それは赤信号だ。

ーp231 第九章 虎への道ーー東南アジア

 

優等生の韓国

最近は嫌韓とかの雰囲気があったりするけれども、本書ではアジアの優等生として韓国と台湾をあげている。中でも韓国は金融危機などに見舞われたものの、システムを変えることによって、しっかりと経済を成長させている国だと指摘されている。ここからだんだん日本の悪さについて第三者の目線から厳しい指摘がところどころ出てくる。これが海外から観た日本の印象であることは避けられない事実である。

 

韓国も日本も、世論調査をすると現状維持を望む声の大きい体制順応型の社会だ。ただし、韓国では「現状」の定義が変わりやすい。危機に襲われると、日本は既存の経済システムを防衛しようと必死になる。一方、韓国は既存の仕組みをあっさり捨てて、再構築を図る。一九九〇年代の危機ほど、このコントラストが明白になった例はないだろう。当時の日本は、何年もかけて破綻企業を生き延びさせようとしたが、韓国は大掃除を一気に進めた。こうして、韓国は変化のモデルとなり、日本は現状維持の象徴となった。<中略>こうした運命の変転を象徴するのが、今日の日本で最も裕福な男が、在日韓国人二世の企業家、孫正義だという事実である。

ーp261 第十章 金メダリストーー韓国と台湾

 

日本でイノベーションは起こりえない

 

イノベーションの元祖はアメリカにある。シリコンバレーがその代表であるが、その文化、仕組みをつくることができたのはアメリカであり、それが継続的にアメリカを優位な立場にさせる要因でもある。

 

 日本企業がイノベーションと言うとき、頭の中にあるのは主に今ある市場でいかに”クールな”製品を生み出すかであって、新たな市場を開拓するための新しい方法ではない。日本が輸出国として停滞している理由の一つはこれである。日本の研究開発費の七〇%近くが、新規ビジネスではなく既存のビジネスをターゲットにしているのだ。もっと積極的に闘おうという切迫感がないと、世界のGDPに締める日本のシェアは落ち続けるだろう。

 世界の経済成長率が鈍化している現在、ひときわ際立っているのはアメリカの技術力だ。目下の問題は、世界経済を次の発展段階に押し上げられる新しい原動力は何かということだ。起業家のピーター・ティールが言っているように、新技術の格段な進歩がその役割を担う。そしてその可能性が最も高いのが、イノベーションを促進するシステムの確立している国、アメリカ合衆国なのだ。
ーp440 エピローグ

 

雑感

日本を反面教師にするような箇所を多く引用したが、確かにそうである。おそらく”変化”ということは意識をしているが、手続きが多すぎて変化へ一気に舵をとれなくなっているという現状もあるとは思う。その一方でその変化というのが、イノベーションの方向に向かっているのか、単純に既存製品・マーケットの改良の方向に向かっているのかしっかりと意識する必要もあると思う。

 

また、”建前”が重要な社会であったりするので、定量化の為に設定したR&D費が達成されていれば満足してしまう文化は変えていく必要がある。最近目にしたのは、役職のない社員が企業に属している意識が低く、責任感なく仕事をしているという状況である。さらには役職を持つ社員はそれらのヒラ社員をコントロール(マネージ)できず、負のスパイラルに落ち込んでいる。経営層がこれを把握できないレベルで行動規範のレベル低下が起こっているのではないかと不安になったことを思い出しました。そういうものの根底にある最低9年間の義務教育の質なども上げていく必要があると思います。2020年オリンピックの結果ギリシャのような結末にならないためにも。

 

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