Poo-tee-weet?(プーティーウィッ?)

ビジネス書などに関する紹介・感想をメインに記事を書いています。経営、組織論、テクノロジー、マーケティング。

『眼の誕生』で気になったところ

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※この記事はNoteに書いていたものですが、Noteの趣旨にあってないと今更気づき、こちらに転載します。

 

連休もある7月20日の週はおやすみを頂いています。せっかく長い休みだし、最近起きて朝ご飯食べたらすぐ仕事、仕事終わって夜ご飯食べて風呂入ったら寝る、みたいな生活を送っていたので、なかなか自分の領域外の本とか読めていないなと思いなんとなく本棚にどすんと積ん読されたままだった『眼の誕生』を読みました。

 

 

 生物学とかまったくのバックグラウンドがないので1冊読んだ今、すごく頭がボーっとしています。いつもと違う脳みそを使っているんでしょうか・・。

さて、そんな分からないながらも面白く読んだ本書(本書の紹介やレビューについては既にいろんなところでされているだろうから割愛、というかうまく説明できない!)ですが、気になったポイントをご紹介しようと思います。自分の備忘も含めて。

暗闇は進化の速度が遅い

洞窟内の環境は驚くほど安定していて、極端な変動がない。また、暗闇にすむ動物では視覚以外の感覚が著しく発達している。それなのに、洞窟内の生物の多様性は低い。進化の速度はのろいからだ。その原因は、光合成生物を育み、視覚を発達させる要因んである光が存在しないことにあると考えられる。

洞窟に住む生き物の中にはもともと眼を持つ動物もいるようだが、そこにこもると余計にエネルギーのかかるところの機能は長い年月とともに削がれていくようだ。

ここで述べられている”のろい”は、地球スケールなので、人間からみたらよくわからない感覚だが、クローズドな環境で展開しているビジネスはやり方がなかなか変わらないようなものだと理解した。全くの暗闇でビジネスをしているというケースはないと思うが、近しい形でクローズドになっている環境は多くあると思う。

ニッチで埋め尽くされるとピラミッド構造は変化しない

視覚は、明かりが点灯されると同時に爆発的に地球に登場したが、事態はまもなく落ち着きを取り戻した。視覚の出現は、その結果として開かれた新たなニッチをめぐる争奪戦を引き起こした。しかし、そうしたニッチがすべて満たされたあとは、再び小進化の出番となった。(中略)つまり、ニッチが埋められているあいだは、生態系は安定な状態を保ち、めったなことでは変化を受け付けないのだ。

これは二つのみかたで読むことができると思う。

一つは、何か起爆剤になるような物事が起こると、ニッチ(隙間、適所)を見つけてそこで生きていこうという動きがあるということ。もしかしたら、このCovid-19では、これが起こるまでに何らかの準備をしていた者がニッチを即埋めていくことになるのかもしれない。

二つめは、ニッチに埋め尽くされある程度ピラミッドが出来上がってしまうと、その構造は何かまた大きな物事が起きない限り構造は変えられない、ということ。次の起爆剤的物事を予測することは不可能なので、そういう意味では継続的にニッチを模索することで、何か起爆剤的物事が起きた際にファーストムーバーになり得る可能性が高まるのかも?と考えられる。また、安定して変わりにくいのであれば、そもそも既存のマーケットのエコシステム(生態系)をしっかりと理解した上で何か打ち手を考えるという至極一般的なことを忠実に行う必要があるとも考えられる。

が、様々な生き物が環境に適合するに連れて、ピラミッド構造(生態系)ができ、安定しだすというのはまさに

おわりに

400ページほどある本、かつ、普段馴染みのない分野だったのもあってちょっと頭がぼーっとしていますが、何かアウトプットしておかないとモヤモヤが残るなと思い、今回はこんな記事になります。

化石から何が読み取れるのか、色はなぜ知覚されるのか(眼の構造)、光、などなど多岐にわたるサイエンス領域について学びながら一つのなぞを解明していく感じが面白い本でした。

 

誰かの気付きにつながれば。

ジョブチェンジあるいは新たな旅立ちな2019年 (2019年をざっと振り返ってみる)

2019年、そして2010年代も今日で終了ですね。ボチボチ振り返りをしていたのですが、文章にする時間をとれておらずギリギリの投稿になりました。まあ特に誰に読んで欲しいというものでもない気がするのですが、大体毎年書いているので書いておかないと自分自身の整理にならないという気がするので書きたいと思います。

マーケティングへのジョブチェンジ

ストレスを乗り越え前人未到の地へ

2019年は2017年からはじめていたビジネスディベロップメントという役割から、マーケティングへの異動をするという出来事がありました。元々マーケティングには興味があったということと、ビジネスディベロップメントにおいて考えていた次のフェーズであるマーケティング施策に関する改善活動を行うというミッションのために、本当は他の役職になるというのが偉い人の思いだったようですが、何度か偉い人とも会話をして、マーケティングに異動することになりました。

年度が開始する3月(半ばくらい)からその職務についたわけですが、形式知的なものが少ない(ないがしろにされている?)状況でしたが、持ち前の適応能力(あと会社の内部のことは理解しているというのもある)を駆使して3ヶ月後にはなんとなくリズムがつかめてきました。

最初の3ヶ月はプロセスなど不明瞭な点が多く、やりたいことをやろうとしても何かとストレスフルだったのですが(誰かに聞いても前人未到だったらしく「知らん」という感じだったり・・)、一度理解するとあの人をつつけばいいとかいう暗黙知が明らかになり、自分なりにどんどん未開の地を切り拓いていきました。

そんなストレスもありつつも、施策自体は自分自身が全て決められる(&付与された予算がある)ということで、自分が狙いたい場所へ的確に施策を打つことができたと思います。例えば、6月に実施した300名を超えるイベントに関してはそのコンセプトから企画し、コンセプトに合う特別講演者を依頼したり、実際これらはほぼ全て僕のアイデアを元に周囲のフィードバックや協力によって成り立ちました。

製品と市場やユーザーのことを理解することはもちろん重要な要素ですが、それを具体的なマーケティング施策の中に織り込めたというのが今年の最もフィーチャーすべきところではないかなと自分のことながら誇りに思っています。前人未到の地への旅(主に以下)は参加者の方々にも盛り上げてもらい、実現できたと思います。

今年やった主なイベントは以下:

非エンジニア的 アジャイル/スクラム実践

製品を日本市場において立ち上げるというようなミッションを個人的には継続的に据えており(誰に言われた訳でもなく)、製品やソフトウェアを取り巻く情報については昨年から継続的にウォッチするようにしています。その中で今さらながら踏み込んで理解したのは、アジャイルやスクラムの考え方です。

たしか3月の出張の際に携えた本の1つがずっと積読してあった『カイゼン・ジャーニー』だったのですが、読みはじめてみたら学びが多い。ちょうど自動化を推進する上でチーム全体で取り組む必要があるというメッセージをしている中で本の中で紹介されている要素が自動化を実践するチームを映しているようで妙に共感を覚えた記憶があります。そんなこともあり、上述のイベントへ市谷さんにご登壇いただいたりというアイデアにも繋がりました。

また、製品の浸透にとどまらず、非エンジニアとして、マーケティング組織や営業組織などあらゆる領域にスクラムの考え方が適用できないかと思い試行錯誤していました。例えば、そもそもマーケティングが行うイベントを1つのプロダクトに見立ててスプリントを回してみようと提案してみて小さく実践してみたり、偉い人にPOとドメインスペシャリストみたいな、Spotify や INGのような組織にしてみたらどうだとか提案してみたりしていました。個人的には、一人スプリントをやっていたり(普通に1週間の計画と振り返りを定期的に行うというやつだが)しました。継続することで今自分が何にフォーカスすべきかに改めて気付かされることが多かった印象です。

半年くらいではなかなか浸透していない状況ですが、スクラムマスターの研修を受けに行ったり、書籍を読んだりとスクラムの要素を自分自身に染み込ませて少しずつ実践して行っています。この辺はまた別途どこかで書いておこうと思っています。

関連部署へのツッコミ

2019年は様々な知見との出会いだったみたいです。ビジネスディベロップメントという観点では、『The Model』という書籍に出会い、それを(そのままとは言わずとも)実践することができたらどんなにいいだろうと考えていました。

たまたまマーケティング部門に異動したということもあり、まずはThe Modelで言われているようなファネルにおいてどこに穴が空いているのだろうか?ということを考えながら仕事をしていました。

その結果、マーケティングの後工程にあるインサイドセールスのような部隊がいるのですが、そのチームにああしららどうだとかいうツッコミを入れたりすることが増えました。

さらには、インサイドセールスの前工程であるマーケティングにおける課題も見えてきて、それへの対策を考えたりと俯瞰的な理解と具体的な施策みたいなものを行ったり来たりすることができるようになってきました。(これは、会社に在籍する期間がながいために会社のことを知っているからということもありますが)

この活動の中での話はワントピックでNoteで書いていこうと思っています。

なかむらまこと @BizDevとマーケティングのはざま|note

フィジカルコンディション

一方で、体のコンディションについてはあまり良いとはいえなかった気がします。営業時代に身につけてしまった酒飲み癖(ビール1日2−3本飲む)は悪いものと分かりつつも継続しちゃっています。ただ、軽く誘われた程度での飲み会などはあまり行かないようにしていました。(割と負の感情を抱くことがあるので)

また、過去3年くらいやっていたランニングがあまりできなかったりしたので、2019年後半は体がバキバキでおじいちゃんと化しています。ここは2020年以降の改善ポイントかなと思っています。体のコンディションは、マインド(知能含む)のベースだと思い込ませて。

「アイデアと移動距離は比例する」と誰かが言ったように、ここすうねん旅は僕の中で重要なファクターです。海外は、スペインに2回、上海(これは会社の研修で)、杭州、コロラド、アトランタ(これはAnsibleFestで)へ。国内では、出張やイベントなどで、様々な場所へ伺いました。

まだまだ行きたいところがたくさんあるなと思っていたのですが、よくよくリストアップしてみると色々なところへ行ったのだなと思います。前に比べてお金にも余裕が出てきたので、行った先でもあまりケチらずにツアーに参加したりできるようになりました。これは10年での成長でしょうか。

  • スペイン(2回):食の街サンセバスチャンから、アートの都市バルセロナなど様々な文化があり豊かな国。3回、4回と行きたい。
  • 上海:都会、キャッシュレス社会を垣間見る
  • 杭州:結局定番の観光地にしか行けず、期待していた裏側を見ることができなかった(旧市街と新市街的な感じに街が発展しているらしいが、新市街的なところがあまりよくわからず)
  • コロラド:以前から行ってみたい街だったが、大麻解禁で有名な街。町中で吸っている人はいないけど、町中にはクラフトビール屋の数と同じくらい?所々にディスペンサリーと呼ばれるお店がある。
  • アトランタ:小さい街で南部のためアフリカ系アメリカ人も多い。ここもホームレスが多い。最近はどこの都市にもホームレスがいるイメージ。

読んだ本

今年も積読がはかどりました。積んだ本は50冊くらいありそうですが、読んで感動した本は以下ですかね。

The Model

ビジネスを回すということについての解像度を劇的にあげてくれた一冊。2017年3月からビジネスディベロップメントという役割をしている中で、モヤモヤしていたことのほとんどがこの一冊で明確になった。

アフターデジタル

OMO(Online-merges-Offline)と呼ばれる、顧客とのオンライン・オフラインによる接点を強化することで、顧客との接点を滑らかにし、ビジネスを創出することが中国ではごく普通のことになっているというデジタルファースト以降のビジネスのあり方の示唆を与えてくれた。

カイゼン・ジャーニー

僕がしっかりとアジャイルやスクラムについて学ぶきっかけになった一冊。単純にテクノロジー分野における知識として学ぼうと読みはじめたが、ビジネス開発だけでなく、マーケティング業務、営業活動にもその考え方が活かせそうだと思わせられたきっかけの本。これを読んでから、『スクラム現場ガイド』『スプリント』などの書籍を読むと理解度が違う。

ハッキングマーケティング

なんとなくタイトルに惹かれて手に取った一冊。さーて読むかと冒頭を読んでいると「アジャイルマーケティング」という用語があったりと、周辺環境が刻々と変化する中、ソフトウェア開発手法である、アジャイルの手法をマーケッターも取り入れようというお話。『カイゼン・ジャーニー』や『スクラム現場ガイド』などを読んでいたので、スラスラと読めた。まさしく自分自身が考えていたことが、既に本書にまとめられていたので感動した。少しずつ実践して行こうとしている。

三体

書店で平積みされていたり、電車の中の広告をみたりして、SF好きだし読んでみっか〜くらいの感覚でポチったこちらの本。結構分厚いのですが(Kindleで読んだけど)、結構すらすら読めてしかもダイナミックに現実とVRの世界の話が織り交ぜられててすぐに読み切りました。小説はハマると読めるタイプなので、1年に1冊くらいしか読んでいませんがこれに出会って良かったと思います。

おわりに

2020年は社会人になってから10年という節目の年になります。10年も同じ会社にいるつもりはなかったのですが、ここ3年くらいはいつも変化を求められつつも、新たな課題をどう解決するか、ということを走りながら考えるというスリリングかつエキサイティングな経験をすることができています。なんとなく自分の方向性みたいなのも見えてきたのかなぁと思っていますが、まだまだ探求の旅は続きそうです。

スクラムマスターの研修を受けたときに講師の方がおっしゃっていたのが以下のような言葉なのですが、今でもたまに「まぁ、いっかー」「あの人はそういう人だから何言ってもダメだよ」と諦めようとしたときに何度も思い出す言葉です。「諦めたらそこで試合終了だよ」ではないですが、これからも心にとどめておきたいと思う言葉です。

「思考をやめたら、仕事の放棄だ」

書籍などで知識を得ながら、実業務における課題を見つめ、解決していくということは引き続きやっていきたいことだと思っています。

2020年、そしてその先の10年はどんな難題が目の前に現れるでしょうか。ひとつづつ解決できるように思考を諦めないで生きていきたいと思います。

他者を眺め解決の糸口を見出すナラティブ・アプローチー『 #他者と働く 』を読んだ

社会人10年目にしてナラティブ・アプローチというのを、今回紹介する『他者と働く』を読んで知った。社会構成主義という考えから出てきているようで、最近遅ればせながらもアジャイル/スクラムに関する書籍などを読んだり、研修を受けたりする中で、今まさに「対話(ダイアローグ)」に関心があり、ちょうどTwitterやNoteで著名な方が紹介されていたりしたので、Kindle版をポチって読んでみた。バスで本を読むとたいていの場合車酔いをするのだが、本書は何故かそんなこともなく一気に読み進めていた。

インド、ジャイプールにて。

「溝に橋を架ける」

本書では、他者と働く際にコミュニケーションがうまくいかないということが多くある中で、どのようにして良い回答、結果を出していくかということが書かれています。その中心にあるのが、自分自身のナラティブ(文脈)と対象となる相手のナラティブです。必ずと言っていいほどその間には溝があるため、自分自身が持つナラティブを一度脇に置いて、相手が置かれているナラティブを観察し、介入をしていく、ということが語られている

具体的には、ハーバード大学のジョンF.ケネディ政府大学院の公立リーダーシップセンターの創始者であるハイフェッツが提唱した適応課題に挑むためのプロセスに習い、以下の4つのプロセスを通して他者との「溝に橋を架ける」ことを述べている

1. 準備「溝に気づく」
2. 観察「溝の向こうを眺める」
3. 解釈「溝を渡り橋を設計する」
4. 介入「溝に橋を架ける」

ここ最近、イノベーションが起こせない組織、やるべきなのにやれない組織、に対して向き合うことが多いのですが、その中で一番強く思って“しまっていた”のは、多くのマネジメント層(40後半以降)はマネジメント(管理ではない)スキルが欠如(もしくは不足)しているということです。そのスキルが足りないということにはほぼ介入の余地がないのですが、相手(ここでは今のマネジメント層)が置かれているナラティブを解釈すれば何か糸口が見つかるのではないかと希望が出てきました

この僕が持っていたマネジメント層の苦しみ、という事象について、本書では、経営者の「孤独状態」として表現され、権力を持ってしまったために誰とも弱音を共有できないという課題を持ち、現場は上の立場の人を悪者にすることで誰のせいにもしないという逃げが生じていたりする。このような事象は共感する部分が多くありました。それに対してどのように解決すべきかということについても実例をデフォルメしながらも具体的に述べられていて色々と考えさせられることが多かった。

具体的な話は本書を読んでもらえればと思うが、本書で紹介されている具体的な実践、そして対話を阻害する罠は以下のようなものがある。

実践:

  • 実践1. 総論賛成・各論反対の溝に挑む
  • 実践2. 正論の届かない溝に挑む
  • 実践3. 権力が生み出す溝に挑む

対話を阻む5つの罠:

1. 「気づくと迎合になっている」
2. 「相手への押しつけになっている」
3. 「相手と馴れ合いになる」
4. 「他の集団から孤立する」
5. 「結果が出ずに徒労感に支配される」

さいごに

誰もが共感するであろう具体例がたくさんある内容なので、世の中のリーダー層、マネジメント層はもちろんのこと、しっかり組織に見つめ、その中で直面するあらゆる課題をチームワークを通して解決していきたいと思う情熱のあるすべての人に読んでほしいと思った。また、自分自身ここ最近の組織論ブーム再燃とともに、スクラムの考え方を学びもっと人や組織にしっかり向き合っていきたいという意識(逃げてはならないという意識でもある)の再発見にも繋がった。自分自身の活動にも活かしていきたいし、他者へのインフルエンスという意味で、紙の本も買って誰かに貸してあげるなどしてみようか

蛇足:本書の中では僕が今所属しているレッドハットという謎の会社のCEOの例も書かれている。『オープンオーガニゼーション』で述べられていることは、多少誇張されている可能性もあるが、最初はたしかに色々と批判もあったようだがここ5年くらいはポジティブなコメントしか聞いたことがない。何レベルも上の立場にいる彼と、僕も一度直接会話したことがあるのだが、誰にでもフレンドリーなタイプだと感じた。それもいろいろな対話を超えてそのようになってきたのだろうな、と本書を読み改めて感じた。

クチコミを生み出すための手引書ー『フェイス・トゥ・フェイス・ブック』読了

この本、結構前に表紙は見た気がしたのだが、「どうせFacebookがどうのこうのと書いてあるHowto 本じゃねぇの?」と勝手な先入観から読んでいなかった。

それが、コミュニティマーケティングで有名な小島さんのプレゼンテーションでおすすめされていたので、なんともなしにその場でAmazonで検索してポチっていた。

フェイス・トゥ・フェイス・ブック

エド・ケラー/ブラッド・フェイ 有斐閣 2016年12月
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クチコミの力・・・。いくら、Amazonでおすすめされようと、書店で平積みされていようとも(最近は書店に行っていない気がするし、この本が平積みされていた光景は記憶にないが)、それが購買者の意思決定の決定的な要因にはならない、とはこのことを言うのか、いまさら振り返りながらクチコミのちからを感じている。

タイトルに胡散臭さを依然感じつつも、読み始めた途端、むしろのめり込んで行ってしまった・・。

本書では、クチコミこそが購買意思決定の要であることをさまざまな事例(過去から未来、コンシューマ製品から政治まで)を紹介しながら解説している。いわば、クチコミを生み出すための手引書(The Book)のようなものである。 本書では何度も、「クチコミを作るためにどのように広告を使うべきか」と言ったようなことが語られている。

クチコミやなにかが広まる構造については、以前『急に売れ始めるにはワケがある』を読んで150人の法則やそれを運ぶ人の役割が重要と理解していたが、本書ではどちらかというとクチコミが広まる”そのストーリー“の中身にフォーカスがされていたように思う。

急に売れ始めるにはワケがある』については、以下の記事の画像が参考になるだろう。ちなみに、『急に売れ始めるにはワケがある』は絶版になってしまっているようで、Amazonで新品はまあまあな金額になっている(文庫本なのに、、)。

poo-tee-weet.hatenablog.com

以下に、いくつか本書で取り上げられていたポイントをピックアップしておきたい。

クチコミが効果的に広がるストーリーの要素

  • 「スキーマを混乱させる」ことが重要

    • 意外性による混乱させ、どうしてもそれについて友人・知人に会話したくなるようなストーリー
  • 共有(シェア)したくなるような内容

    • 報道されやすさも含めて考慮にいれる

ストーリー設計の際に考慮にいれること

  • ステークホルダー

    • 最終利用者だけでなく、間接的に意思決定を支援するインフルエンサーなどに響く内容
  • 場をつくる

    • クラフト社のハウスパーティーの例にある(詳細は本書を読んで欲しい)ような、新しい製品をどのように使うかをハウスパーティーを通して共有させる

    • 場を作るためのツールを提供する

    • オンラインでのレビュー(Amazonなどの)は一種のクチコミを共有する場

広告の役割

  • 言語化

    • 誰かにこの感動を共有したいけれど、どのように表現したらいいかわからないものを、広告コピーなどで表現することで、シェアしやすくする

こんな感じで学びの多い書籍でした。 Amazonのジェフ・ベゾスが提唱するビジネスの立ち上げ方に、Press Releaseから書き始めるという手法があると思うが、それに近いものが本書でも述べられていたし、随所随所で考えさせられた。プレスリリースがどういう内容で、どこに伝播する仕掛けを準備しておくのかを入れ込んでおくかを先に考えておくと自ずと広がるメッセージになっている。単純に発表をするだけでは何の意味もない。マーケターは最高のし掛け人にならないといけないのだ。

『正しいものを正しくつくる』読了。感想など。

”正しいものを正しくつくる”という若干挑戦的とも言えるタイトルだが、正しいものとはなにか?正しくつくることとはどういうことか?ということが何度も繰り返し語られていたように思う。

正しいものを正しくつくる

市谷聡啓 ビー・エヌ・エヌ新社 2019年06月14日
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恥ずかしながら、アジャイル開発というのは単に高速にプロダクトを開発する手法なのだと今年の前半くらいまで思っていた。小さい単位で開発するのがいいという程度の理解だった。

 

アジャイルは、その周辺の考え方である、例えば「ビジネスモデルキャンバス」、「組織論」、「リーン」、「デザイン思考」などのようなものと密接に関係し、進化をしているとでも言おうか。これらのいいところうまく吸収しながら、単にテクノロジーの技法ではなく、ビジネスを創造するドライバーとなっているのだと考えを改めさせられた。

 

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『カイゼンジャーニー』を読んでから、プロダクト開発だけでなく、ビジネス開発をする上でも非常に役に立つ考えが、アジャイル開発やスクラムの手法にあると最近気づいてここ最近何冊か似たようなトピックの本を読んでいる(以下に参考書としてリンクを貼っておく)。今回、『正しいものを正しくつくる』を読んで、この領域における解像度がどんどん高まっている感じがあり非常によい。というか、数年前に読んだはずのリーンスタートアップとかもっとちゃんと読んで自らの活動に活かせていたのではないかと猛省している・・・。

 

本書では、仮説検証を繰り返しながら、正しいものをつくるためのステップ、そしてその手法を丁寧に説明してくれている。おそらく自分自身が直面しているフェーズごとに該当箇所を読み直すこでまた新たな気づきや納得感が得られることだろう

 

現場でプロダクトオーナーとなっている方は特に役に立つことの多い本書であるが、アプリケーション開発の世界だけでなく、インフラ系の組織にも役に立つと思う。僕個人的には、組織の生産性を上げたいエンジニアを率いるマネジメント層の多くに読んでもらいたいと感じた。

 

テックからインサイトをもらうことが多い今日この頃。

さて、次は僕自身が実践していくフェーズだ。 

 

ーーー参考図書ーーー 

カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで

市谷 聡啓/新井 剛 翔泳社 2018年02月07日
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SPRINT 最速仕事術

ジェイク・ナップ/ジョン・ゼラツキー ダイヤモンド社 2017年04月13日
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スクラム現場ガイド

MitchLacey/安井力 マイナビ出版 2016年02月27日
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『ファクトフルネス』をABDで読んでみた あるいは ABDをファシリテートしてみた話

はじめに

3月頭に準備不要でできる読書会ワークショップ、アクティブ・ブック・ダイアログを初体験して( 参考エントリー )、社内でもレポートしてみました。そうしたところ、社内に興味がある人が何名かいたので、『ファクトフルネス』を教材にやってみました。今回はファシリテーターとして進行したので、ファシリテーターとして気をつけたことを書いていきたいと思います。

選書の方法 と 参加者の集め方

LeanとDevOpsの科学』と『ファクトフルネス』を元々候補にしていましたが、呼びかけ後参加者の半分くらいが非テック系(経理とか事務系など)だったので、万人ウケしそうな『ファクトフルネス』にしました。 参加見込みのあるメンバーから固めて、そのメンバーが共通で読めそうな本や、興味のありそうな本に設定するのは社内ならではのやり方ですが、うまく進んだと思います。また、10名くらいいないと一人当たりの担当範囲が長くなり大変なので、10名集めるために、最近ベストセラーになってる本というのは参加者を確保する上でもよかったと思います。

準備

前回の体験をもと僕がファシリテーターとなってやることにしましたが、直前までほぼ準備はしませんでした。直前2−3日前になって準備したのは以下。

筆記用具類

リレープレゼン用の紙はB5が推奨らしいですが、会社の印刷コーナーに置いてなかったので、A4にしちゃいました。マスキングテープは会社の備品にもなかったので、Amazonで入手。太いペンはホワイトボードのペンを活用しました。

カッター

本を裁断するためのカッターと下敷きも会社にあったものを借りてやりました。裁断機がなくても10分くらいあればすぐに終わったのであまり気にしなくても大丈夫かと思います。 裁断する際に参考にしたサイトは こちら です。

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裁断後

アジェンダとページ分担計算表

これは事前に準備しておいてよかったなと思いました。事前に準備しておいたことで、スムーズに進行することができました。当日急なキャンセルもあるかもと思い、人数次第で何ページ読むかを計算できるシートを準備しておきました。以下に事前に設定していた、当日のアジェンダも書いておきます。

アジェンダ 時間
準備(机の配置、本の裁断) 15min
チェックイン(自己紹介・期待チェック 10min
オリエンテーション(ABD紹介&進め方共有) 15min
メイン1 15min
リレープレゼン1 25min
メイン2 30min
リレープレゼン2 50min
ダイアログ 20min

メイン1は時間通り終わりましたが、メイン2は個々人によって進捗状況も異なり、10分くらい多めに調整しました。また、リレープレゼン2では、一人5分と決めていましたが、内容的に時間がもう少しあったほうがよかったので、強制終了はせずに必要な時間だけとりました。そのため、ダイアログは実施することができず、かつ予定していたより30分くらい多く時間がかかってしまいました。 ページ分担計算用のシートは以下のようなイメージです。目次を見てページ番号を記入して各章のページ数を計算します。

ファシリテーターとして気をつけたポイント

前回アクティブブックダイアログで読んだ本『管理ゼロで成果は上がる』の著者の倉貫さんのブログに注意点が書かれていたので、 これ を参考にさせていただきましたが、概ね以下の3点を注意しました。

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作業風景

  1. 心理的安全性を作る
  2. やりながらアドバイスする
  3. 参加を促す

心理的安全性を作る

中には読書に苦手意識を持っているけれどもチャレンジしてみようという参加者もいます。実際に集客の時から参加対象者に「読書が苦手な人」と書いてあえてそういう人を誘ったり、オリエンテーションでも、「本に書いてあることを全て細かくまとめることが目的ではない」「時間内に全て読み切る/まとめきることが目的ではない」ということを3回くらい繰り返し伝えました。 これもあったせいか、苦手意識からこのワークショプで疎外感を感じてた人はいなかったと思います。

やりながらアドバイスする

今回取り扱った『ファクトフルネス』はかなり具体例の多い書籍で、概念というよりはそのような具体例を理解してこその書籍だなとと読みながら感じました。メイン1で少なめの量で肩慣らしをした際にそういうことを感じたので、メイン2で実際に自分がグラフなどのデータを見た際に「これをA4の用紙に貼り付けちゃうことにしました」と他のメンバーに軽く声をかけてみました。実際には個人のやり方に委ねられているのですが、模写しているだけで時間が取られそうと判断した人は同様にグラフなどを紙に貼り付けていました。 これは本を裁断してできる醍醐味ですね。本は捨ててしまうか各自が自分のパートを持ち帰るか、しかないので、切り貼りして表現の創造性を高める方を重視した方がいいと言った方がよいかもしれません。

参加を促す・一体感を作る

参加を促すというのは若干語弊があるのかもしれませんが、自分自身一度しかABDを経験したことがないということを表にだして、「みんなで協力して一冊の本を読みましょう」、「僕も2回目でうまくファシリテートできないかもしれないので、何かあれば助けてください」と自分自身の弱みを見せることで、参加者自身に受け身ではなく積極的に参加してもらえるよう呼びかけました。実際、参加者の中にまとめるのが早い人がおり、その人が少し進みが悪い人を助けてあげたりということが起きていました。

さいごに

はじめと終わりの変化が見えた

席を準備し、本を裁断しはじめているときに、バツが悪そうに「業務が忙しくて参加できないかも・・」と言って参加した人は結局最後まで参加してくれたり、チェックインで今日の意気込みを軽くコメントしてもらった際に「眠いけれど頑張ります」と言った人が最後には眠さも感じないほど集中できたと言ってくれたりと、結果的にこの会は成功したと言えそうです。 参加者の多様な変化をみることができたのは、ファシリテーターとしての面白みだなと感じました。何か少しでも誰かの成長のきっかけや気づきのきっかけになっているという感覚がワークショップという形式をとることで得やすいのではないかと。

社内の交流になった

今回参加者は、エンジニア4名、バックオフィス(経理・受注業務)3名、営業・マーケティング3名という複合的な部署からの参加がありました。部署横断的にこのような会をできたことは非常に良かったと思います。遅れて来た人に誰が誰でということを伝えなかったため、あとあとあの人は誰でしたっけ?と言われましたが、知らなくても会は成り立ちました(苦笑)。社内でやる分には遅れて来ることもよしとすることもあると思いますが、なるべく時間厳守で参加してもらったほうが、社内のほかの部署の人の顔が見えやすくなるという効果は高いと思います。

本の内容以外のさまざまな気づき

「急に与えられた資料を説明しなければならない、資料が生煮えな段階で説明しなければならないという状況はごく普通にあったりするのだろうが、そういう場に向けた訓練にもなる」というフィードバックを最期のクロージングでもらいました。これはエンジニアからのコメントで、例えばエンジニア系の勉強会などではLightning Talk(LT)という5分間でなにか特定のことをプレゼンするという場があると思います。リレープレゼンは基本5分でまとめを説明するというスタイルなので、その場でまとめてその場でプレゼンするというスタイルなので、このLTの練習のようなものにもなりますし、上記のコメントの通り、誰が急遽病欠で代打で普段語り慣れていないことを語らねばならないということもごくたまに起こるのでそう言った際のスキル向上にもなりそうです。 また、まとめ方ひとつ取っても「自分は本を読んでもちゃんと記憶に定着しないからメモをいつも取っているが、今回のABDでまとめ方を学べた」のようなコメントをもらったりしました。 上記のように、要点をまとめるスキル、即興的なプレゼンスキル、など本の内容以外にも色々な気づきが得られるのがABDの良いところだと改めて感じました。今回はダイアログの時間を取れなかったのですが、ダイアログではあらゆる人の観点から議論を深掘りしていくようなもののようで、これもまた新たな気づきがあるはずです。

なによりも一人で孤独に読んでいるという感覚ではなくチームで読んでいる感がでるのが個人的には気に入っているところです。

結局『ファクトフルネス』についての話しをほぼ書かなかったですが、今回はファシリテートが目的だったので、良いですかね。また気がついたら書きたいと思います。

poo-tee-weet.hatenablog.com

コミュニティマーケティング虎の巻『ビジネスも人生もグロースさせるコミュニティマーケティング』を読んだ #ファーストピンをねらえ

このエントリーを読むのにだいたい8分くらいかかります。

おそらく、2017年暮れくらいから2018年くらいにかけて急速に認知度があがっている、コミュニティーマーケティング。B2Cの領域ではどちらかというとファンマーケティングなどというキーワードで語られることが多いと思うが、B2Bにおいては“コミュニティ”マーケティングというキーワードが定着しつつある。

このコミュニティマーケティングの形はなにも今にはじまったわけではなく、各社で「ユーザー会」や「ユーザーグループ」のような名称でマーケティング活動の一環として実施していたり、ユーザー自身が勝手に実施していたり、エグゼクティブレベルでの関係性を深めるためにゴルフ付きで週末に実施するみたいなスタイルもあったりする。

僕はオープンソースという「コミュニティ」が非常に重要な要素を持つソフトウェアを取り扱う企業にたまたまいるので、この領域にはずっと前から興味がある。

そんなわけで、今回『ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング』を手にとって読んでみた。

感想

本書の著者である小島さんが大学時代からマーケティングが面白いという理由でマーケティング職のみを探し偶然IT企業であるマーケティング職で新卒募集をしていた企業に就職。その後自分自身のバリューを確認する意味も含めて外資系企業へ転職。この転職先の外資系企業での経験の中でコミュニティマーケティングに近い経験をする。”Sell through the community“というキーワードは、この経験の中で無意識に具体化されていったものだという。AWSにてその活動をさらに具体化し、効果を出していった。本書はコミュニティを形成するところから、育て、自走させるという、一連のコミュニティマーケティングのライフサイクルにおける注意点などが散りばめられており、まさにコミュニティマーケティングの虎の巻のようなものだと言える。

内容としては、以前から小島さんがスライドシェアなどで公開している内容をまとめたようなものだが、それに具体的なストーリーや事例などが追加されていて非常にわかりやすかったと感じた。

「コミュニティマーケティング」というとまだまだ、ファンの集まりのような認識をされるようなケースが多く、しかも就業時間後や土日に開催することも多く、匿名性も高い活動のために、このような領域に労力とお金(お金は最小限だが)をかけるということについて社内から理解を得られないケースが多い。

ただ、ここで語られているコミュニティマーケティングは単なるファンの集まりにとどまらず、LTVをあげるための場であったり、実際に利用者からフィードバックを得る場であるということまで意識した活動であるということ。

個人的には、このコミュニティマーケティングというのは、マーケティング戦略におけるあらゆるプロセスをつなぐ、ノリ(糊)のような機能を持っているのではないかと考えており、それに近いようなことも書かれていたので、本書で書かれていたような内容を真似しながら検証していきたいなと感じた。

コミュニティについて僕が考えていたこと

競合でないコトが競合になる時代

どの業界も競合ではないものに脅威にさらされている。日々僕たちは消費しきれないほどの情報や娯楽にさらされている状況であることは言うまでもないと思う。

朝起きたら好みのニュース番組を見ながらツイッターやFacebookのアプリケーションを開き、通勤途中は新聞を読むかNewsPicksなどのニュースサイトを見る。会社についたら仕事で忙しく、残業も多い、家に帰る途中に喫茶店で勉強をして、家でまったり海外ドラマでも見ながら晩酌をして寝る。仕事中・睡眠時間以外はなんらかの情報に接っしていたり、中には情報にはあまり接することなく、自分の趣味の時間に使っている人などもいるだろう。

情報は受け身でも向こうから発信され、自分が興味のあることに没頭することも簡単にできるようになってしまった。 ここまで広げすぎてしまうとなかなか打ち手が明確にならなかったりするだろうが、事実、個人の自由な時間をいかに自社に振り向かせることができるかが業界横断的に命題になっていると思う。そういう意味で、コミュニティイベントはなんで昼にやらないのか?というとそもそも業務時間中に時間を割くことが難しいということ、そして個人の自由な時間でうまく自社への接点を作れば認知度を増やす可能性が高まるということでもある(マインドシェアを増やすというように呼んだりもする)。ちょっとうがった見方だけれど、これを背景に、どこの会社もこぞってここに参入しているのではないかとも思う。ただ、本書でも書かれている通り、コミュニティを作るのは一日では成り立たないし、真似することも非常に難しいので、これだけを理由にしていると失敗に終わるだろう。

「第3の場所」

「サードプレイス」というのはスターバックスのケーススタディとかで言われているワードだと思うが、社会学の研究で自宅と職場ともう一つの場所(パブ、カフェ、教会など)を必要とする理由、サードプレイスがどのように機能するかみたいなことが語られている(ちゃんと全て読んだわけではないので、間違っていたら申し訳ない)。 ※これについては2018年夏頃にざっくりとした考えを書いたエントリーがあるののでそちらもご参考(こちら

ようやく雇用の流動性がではじめたけれど、「我慢して今の職場で働いている」みたいなことが多く、「PCのスペックが低すぎて人権侵害だ」みたいなツイートが定期的にTLに流れてくるのがその現れだと思う。自宅と職場の往復だけでは疲弊してしまう。そんな状況は僕も昔あったし、やっぱりそういう不満ていうのはどこにいても出てくるものだと思う。そこで、仕事以外のもう一つ自分の興味関心(趣味でも勉強でもなんでもいい)を共有できるような場所があると、プライベートの充実度もあがる。それが、「第3の場所」の役割である。

本書でも似たようなことが書かれていたが、「第3の場所」はこのように、自分の居場所を作るという機能があり、そこでのつながりが仕事につながったり、個人的なキャリア形成に有意義に活かすことが可能だったりする。

販売ライフサイクルをつなぐ糊のような役割

冒頭の感想にも書いたが、僕がいま考えているのは、コミュニティマーケティングがマーケティングファネルから営業プロセスまでを包括して各プロセスにおけるフェーズからフェーズへの格上げができるような施策なのではないかという点である。

まだ具体的な検証はできていないが、マーケティングプロセスにはAIDMAのフレームワークに代表される認知〜購買までのプロセス、営業フェーズにおいても、Prepare・Engage・Negotiate・Closingのようなフェーズがある。このそれぞれのフェーズの糊になることが可能なのが、コミュニティマーケティングなのではないか、ということである。

この辺はまだうまく表現できないので、もう半年くらいかけて考えを明確にしていきたいなと思う。

最後に

ちなみに、コミュニティ活動をファシリテートしている理由はこちらに書いた通りである。それに感化されて、今このような文章(アウトプット)をしているし、逆に僕からも皆さんをモチベートできるようになりたいというのが僕の原動力になっていると思う。非テックの立場から、口だけじゃなくて、手も足も動かしていろんな活動を一緒に実現していけたら良いなと思っている。